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米国はなぜ「北朝鮮脅威論」を強調するか

米国はなぜ「北朝鮮脅威論」を強調するか

Posted April. 01, 2001 18:18,   

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「ワシントン発の『朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)脅威論』がまた出てきたところを見ると、どうやら今年も春が来たようだ」。

トーマス・シュワルツ韓米連合司令官が27日、米国議会上院軍事委に出席し「北朝鮮の脅威は昨年よりさらに深刻だ」と証言し、デニス・ブレア米太平洋司令官が上院歳出委で「北朝鮮が軍事力を相変わらず増強しており、改良型スカッドミサイル600基を保有している」と語ったことを取り上げて軍事専門家らがこう述べている。

「北朝鮮脅威論」は、毎年米国議会が次の年の国防予算を審議するこの季節になると、米国から聞こえてくる。またこれは時には韓国内の政界でも論争の種となる。

▽「北朝鮮脅威論」の実体は?

「シュワルツ司令官らの発言は、対朝脅威評価の韓米間における違いが表面化したものだ」との指摘に対して、国防部は30日に「韓米間に情報評価上の食い違いはありえない」と強調している。

とりわけ国防部は「北朝鮮の脅威が △さらに大きく(Bigger) △さらに向上し(Better) △さらに身近になり(Closer) △さらに致命的(Deadlier)になった」というシュワルツ司令官の発言の根拠を、2000年の「国防白書」や「国会報告」などを通じて公開された北朝鮮の情報を挙げて一つ一つ説明している。

まず‘Bigger’は、△99年のミグ21戦闘機40台の導入 △T62天馬号戦車の生産 △小型潜水艦の追加建造−−などの軍事力増強。‘Better’は99年の西海交戦以降、特に昨年冬と夏に行なわれた機械化部隊の大規模訓練。‘Closer’と‘Deadlier’も△ピョンヤン(平壤)〜ウォンサン(元山)以南地域に1個の戦車軍団、2個の機械化軍団、2個の歩兵軍団が前進配置されたこと △前後方地域のミサイル坑道の維持−−などで、全てメディアによって報道済みの事実だと説明した。

またブレア司令官が発表した北朝鮮のスカッドミサイル保有数も、96年の国会国防委国政監査で、空軍によってすでに報告された内容だというのが軍関係者の話である。

▽強硬な発言はなぜ出てくるか?

専門家らは、シュワルツ司令官が北朝鮮の脅威を強調する理由について、発言された場所が米国議会の予算審議の席上だという点を指摘する。韓米連合司令官の春季議会での証言は、駐韓米軍の予算を充分に確保するために北朝鮮の脅威と軍事力増強を強調する傾向があるという点を考慮する必要があるというのだ。

またジョージ・W・ブッシュ政府のスタートと関連付けて解釈することもできる。国家ミサイル防御(NMD)体制の構築のための名分を立てるなど、対外軍事政策を考慮した時、北朝鮮の脅威増大は充分な広報効果があるからだ。さらには「軍産複合体」である米国が、韓国に高価な武器を売るための強い圧力を加えているのではないかという指摘もある。



李哲熙(イ・チョルヒ)記者 klimt@donga.com