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米「北朝鮮に対するムチをやめない」

Posted November. 10, 2018 08:50,   

Updated November. 10, 2018 08:50

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「私たちはこれまで多くのアメを与えた。ムチはやめることはない。北朝鮮は制裁解除を保障するだけのことを何もしていないためだ」

ヘイリー米国連大使は8日(現地時間)、米ニューヨークの国連本部で記者団に対して、「北朝鮮制裁の解除はできない」と再度念を押した。ロシアの要請で開かれた国連安全保障理事会の北朝鮮制裁を協議する非公開会合の前に世論戦を始めたのだ。ヘイリー氏は会合が終わった直後、再び記者団と会った。ロイターは、「ヘイリー氏が安保理会合の前後に北朝鮮制裁に関する発言を通じて『今度は北朝鮮が行動する番』と話した」と伝えた。

年末に辞任する対北強硬派のヘイリー氏は、米国は北朝鮮と対話し、韓米合同軍事演習まで中止するなど多くの「アメ」を差し出したが、北朝鮮は制裁を解除するほどのことをしなかったという点を強調した。ヘイリー氏は、「(北朝鮮の核とミサイルの)脅威は相変わらずだ」とし、「彼ら(北朝鮮)は査察官が入って核と弾道ミサイルの施設を査察することを許可していない。(このような状況で)私たちは現在のコースを維持する必要がある」と強調した。北朝鮮が核と弾道ミサイル実験を中止するだけでは不十分で、関連施設に対する査察が許されない限り、制裁を解除しないということだ。

ヘイリー氏は、米国が北朝鮮に対する人道支援に向けた制裁中止を妨害しているという指摘に対しては、「過去の北朝鮮に対する人道支援が北朝鮮の住民でなく権力者と政権に行った」とし、「人道支援が本来の役割を果たさず、私たちが望む住民に伝えられないなら、いかなることもしない」と警告した。

北朝鮮が、ポンペオ米国務長官と金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長の高官協議の延期を米中間選挙の当日(6日)に要請した背景には、制裁に対する不満があるという分析が出ている。CNNは消息筋を引用して、「北朝鮮は米国が制裁緩和の措置を取らないことに怒っている」とし、「自分たちが(非核化関連の)追加措置をする前に米国が先に動かなければならないという立場」と伝えた。CNNはまた、別の消息筋を引用して、北朝鮮側が今回の協議で得られるものがあまりないと判断し、6日に電話で会談延期を伝えたと報じた。

米朝高官協議が流れると、北朝鮮は対南宣伝メディアを活用して、米国に対する非難を始めた。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長や指導部の公式の立場と見ることはできないが、非核化と制裁解除をめぐって米朝間の調整がスムーズでないため、迂回的に不満を表出しているのだ。北朝鮮の対外宣伝メディア「わが民族どうし」は9日、論評で、非核化と南北協力、北朝鮮制裁などを議論する韓米の作業部会について、「実務チームによる操作」と非難した。これは、北朝鮮が作業部会について初めて出した反応だ。同メディアは、「北南協力事業に乗り出せないよう常時牽制しブレーキをかけ、彼らの気に触ればいつでも破綻させようとする米国の思惑がある」とし、「北南関係改善の動きに対して大洋の向こうでことごとく問題にし、訓示するだけでなく今や現地で監視し、統制する機構まで作るという米国の傲慢な形態」と批判した。

一方、趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官は13日から17日までの5日間の日程で米国を訪れる。統一部は9日、「趙長官が米ワシントンとニューヨークを訪問し、『2018韓半島国際フォーラム』で基調演説をする予定」とし、「米政府や議会の人々に会って、南北関係および韓半島の平和定着について議論する計画もある」と明らかにした。


朴湧 parky@donga.com · 申나리 journari@donga.com