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ラバは相変らずラバだ

Posted October. 16, 2018 08:57,   

Updated October. 16, 2018 08:57

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第2次世界大戦の英雄、バーナード・モントゴメリー元帥は、20世紀の戦争史の生き証人だ。第1次世界大戦に小隊長として参戦して負傷した。第2次世界大戦ではよく知られているように、北アフリカでドイツの名将エルヴィン・ロンメルを撃破し、ノルマンディ上陸後にはベルリンまで進撃した。20世紀後半には、北大西洋条約機構(NATO)軍司令官を務め、冷戦と核武装の時代を見守った。晩年に彼は世界戦争史を執筆した。戦争史の著述は多いが、モントゴメリーのように豊富な実戦を経験した将軍の著述はほとんどない。同書は多くの関心を集めた。それでも「なぜモントゴメリーは老齢にあえて戦争史を書いたのだろうか」という疑問は残る。モントゴメリーは戦史と教育に関心が多い将校だった。大英帝国の軍隊に服務し、世界各地で勤務し、その度に古代ギリシャの戦場から主な戦跡地を調査した。

ライバルだった米国のジョージ・パットン将軍も数千冊の本を読んだというほど戦争史に博学な知識を持つ軍人だったが、アメリア帝国を成し遂げる前の米軍に服務したため、モントゴメリーのように世界各地で勤務することはできなかった。

その本の序文にこのような話がある。ある日、ある将校がモントゴメリーに、将軍のような立派な指揮官になるにはどうすればいいか尋ねた。モントゴメリーは、戦争史を熱心に勉強するように言った。将校はすっきりしない表情でこのように言い返した。「私は卓上の理論よりも実戦経験が重要だと考えます」。おそらくモントゴメリーは若い将校と話すたびに、このようなことを数えきれないほど経験したようだ。それがモントゴメリーだけの経験ではなかった。ドイツのフリードリヒ大帝も、フランスのナポレオンも同じ経験をした。そのたびにナポレオンとモントゴメリーは、フリードリヒ大帝の返事を同じように繰り返した。その返事はこうだ。「私たちの部隊では戦闘に60回参加して生き残ったラバが2頭いる。そのラバは今でも変らずラバだ」。

17世紀に銃と大砲が発展し、従来の戦術が通用しなくなった。その時、天才的指揮官はローマの古典を研究し、火薬が全く使われなかったローマ軍隊から近代戦術の答えを見出した。これが人文学の真の力であり必要性だ。最近の韓国社会は人文学を叫びはするが、果たしてこのような体験をしているのか、できる力量があるのだろうか。

歴史学者