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[オピニオン]服装とコミュニケーション

[オピニオン]服装とコミュニケーション

Posted May. 16, 2016 07:33,   

Updated May. 16, 2016 07:38

한국어

会話の際は印象が言葉で伝わると思われがちだが、必ずしもそうでもない。とある人のイメージが頭に刻まれる時、言葉の内容が占める割合はわずか7%だが、聴覚要素は38%、視覚要因は55%もある。褒め言葉を並べ立てても、ジェスチャーや服装が相手の心を食い込むことができなければ、良い印象を与えられない。1971年に発売された「非言語コミュニケーション」の中で、アルバート・メラビアンはこのような内容を説破した。彼の名から取って、「メラビアンの法則」と言われている。

◆第7回労働党大会閉幕後、初の現地指導で金正恩(キム・ジョンウン)が背広を着た。人民服ではなく背広を着て視察したのは初めてのこと。北朝鮮の住民たちに金日成(キム・イルソン)時代への郷愁を思い浮かばせて、権威を強化しようとする「ファッション政治」といえる。アクアスキュータムなどの英ブランド品を好んでまとったマーガレット・サッチャー英元首相は、「服をよく着こなすのは、国が私に与えた極めて重要な役目だ」として、服装が数々の言葉よりもっと有効な「政治疎通」であることを強調した。

◆英国のとあるコンサルティング会社は、案内担当に採用した27歳の女性が、ハイヒールの代わりにかかとの低い靴を固執すると、出勤初日にすぐ解雇した。靴すら思う通りに履かせないなんて…と抗弁する人たちも少なくないだろう。しかし、法律事務所に勤務する弁護士は、いくら蒸し暑い夏でも、長袖のワイシャツにネクタイは欠かせない。時と場所や場合に適した服装は決まっており、ルールが厳しかったり、専門職に従事する人たちは、スーツ姿で権威の差別化を図る。うまく着こなせない人たちより、うまく着こなす人の言葉にもっと耳を傾ける傾向を見せるのは、洋の東西を問わない。

◆朴槿恵(バク・グンヘ)大統領が13日、与野党3党の院内代表に会った時、ピンク色のジャケットを着た。硬い意志をほのめかすためにたびたびまとっていたカーキ色の「戦闘服」と違って、優しさや温かさが感じられた。協力政治を念頭に置いて、野党指導部に開かれた心を示そうとしたようだ。最大野党「共に民主党」の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表は、与党セヌリ党の赤と共に民主つの青とが交錯するネクタイで、協力意思をほのめかした。服装だけでもコミュニケーションの敷居をさらに下げることはできる。しかし、服装よりは結局真心であってこそ、壁を越えてコミュニケーションを図ることができ、ほかの人たちを動かすことができる。

異鎭(イ・ジン)論説委員 leej@donga.com