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年末に韓半島の危機は高まるのに、韓国外交は行方不明

年末に韓半島の危機は高まるのに、韓国外交は行方不明

Posted December. 05, 2019 09:20,   

Updated December. 05, 2019 09:40

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トランプ米大統領が3日、「米国は最も強力な軍事力を持っている。これを使わないことを望む」としつつも、「(北朝鮮に)武力を使用しなければならないなら使うことができる」と述べた。「年末期限」を提示し、挑発の脅威を高めている北朝鮮への警告メッセージだ。北朝鮮は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の白頭山(ペクトゥサン)登頂を宣伝し、今月下旬に労働党中央委員会全員会議を招集すると明らかにした。交渉ではなく「新しい道」への転換を決断するということだ。

最近の韓半島情勢は、米朝が衝突に向かって突き進むようなムードだ。北朝鮮は、東倉里(トンチャンリ)ミサイル実験場と寧辺(ヨンビョン)核施設で怪しい動きを見せている。あちこちに大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射用のコンクリート製の土台を設置している。正恩氏の「重大決定」まで予告した。米国は連日、各種偵察機を韓半島上空に出撃させ、監視活動を行っており、トランプ氏が正恩氏を「ロケットマン」と呼び、武力使用の可能性まで示唆した。

まだ心理戦水準の神経戦だ。北朝鮮は、挑発の兆候を米国の衛星監視網にわざと晒している。米国も、偵察機の位置発信装置を消さず、事実上、公開的に監視飛行をしている。年末が近づくほど、強度は高まるだろう。特に、トランプ氏の武力使用の警告に北朝鮮が正面から対応すれば、米朝関係は言葉の爆弾が飛び交った2年前の険悪な局面に戻る恐れがある。北朝鮮が、核実験やICBM発射、西海(ソヘ・黄海)局地挑発のような賭けを強行し、米国は軍事的オプションをちらつかせる極限対立に進む可能性を排除できない。

危機を引き上げて補償を受け取ることは、北朝鮮の長年の手法だ。破局直前の劇的な妥協が狙うところだが、トランプ氏はそのようなゲームに慣れた人だ。トランプ氏は北朝鮮に武力使用を警告する一方、韓国には在韓米軍撤収の可能性を示唆し、在韓米軍駐留経費の負担増額を迫った。韓半島の南と北を一度に相手にするという発想には首を横に振るほかないが、危機が高まるほど「トランプリスク」は大きくなるだろう。

 

このような韓半島ゲームの局面で、韓国外交は存在感がない。米朝の仲裁者、対話促進者としての発言権は失って久しい。北朝鮮をなだめることに汲々とし、徹底的に無視され、米国にはごり押しで一貫し、請求書の金額だけを増やした。韓国外交はどこにも見当たらない。再び「私たちができることはない」と無力感だけ吐露し、誰も聞かない「平和」だけを叫び、偶然の反転だけを待つのか。危機対応の計画はあるのか問わざるを得ない。