Go to contents

夕張市を立て直した38歳の鈴木直道前市長が当選、北海道知事選で全国最年少知事に

夕張市を立て直した38歳の鈴木直道前市長が当選、北海道知事選で全国最年少知事に

Posted April. 09, 2019 08:48,   

Updated April. 09, 2019 08:48

한국어

「24時間365日休まず働きます。笑顔あふれる北海道にします」

7日の統一地方選挙で北海道知事に選出された前夕張市長の鈴木直道氏(38)の当選の所感だ。財政破綻した夕張市で構造調整など改革政策を推進し、道知事にまでなった鈴木氏に日本メディアの関心が集まっている。

埼玉県出身の鈴木氏は、高校時代、両親の離婚で母親、妹と3人で暮らした。生活が苦しく大学進学をあきらめ、東京都庁下級公務員になった。法政大学の夜間学部に通って勉強を続け、ボクシング部主将も務めた。当時、鈴木氏を指導した監督は、「どれだけパンチを受けてもKO負けはしたことがなかった」と東京新聞に明らかにした。

鈴木氏は2008年1月、北海道夕張市に応援職員として派遣された。日本屈指の炭鉱都市で栄えた夕張市は、脱石炭化政策後に萎縮し、07年に中央政府に破産を申請した。日本初の財政破綻地方自治体となった。鈴木氏は、夕張再生プログラムに市民の声を取り入れるために1600世帯以上を足でまわってアンケート調査した。人気特産品「夕張メロン」の果汁を使った「夕張メロンポップコーン」も考案した。派遣期間は1年だったが「1年では何もできない」と1年間延長を申請した。

10年3月に東京に戻った鈴木氏に夕張市民が訪ねてきて、「来年の市長選に出馬してほしい」と要請した。鈴木氏は安定した職場を捨てて夕張市に人生をかけた。11年の統一地方選で全国最年少の30歳で市長になった。再選まで含め8年間、鈴木氏は構造調整に携わった。自分の給与を70%カットした。一般公務員の数を減らし、給与も20%削減した。各種補助金を廃止し、住民関連施設の維持管理を住民が自らするようにした。最近になって徐々に地域再生の道が見える状況になった。

構造調整を実施する市長は嫌われるだろう。しかし、今年2月、北海道知事に出馬するために夕張市長を辞任する時、市職員は夕張を舞台にした映画「幸福の黄色いハンカチ」のように黄色いハンカチを振って見送った。今回の知事選で「若すぎる」、「経験不足」などの批判もあった。鈴木氏は東京新聞に「そのたびに『お金を失うことは小さなことだが、名誉を失うことは大きく失うことだ。しかし、勇気を失うことはすべてを失うことだ』という言葉が背中を押した」と打ち明けた。

11都道府県知事と6政令市長を選出する同日の選挙で、自民党は6ヵ所で当選者を出した。10人の候補を出して半分以上が当選しただけでなく、親自民党候補まで合わせれば10の地方自治体首長を占めた。都道府県と政令市の地方議会選でも圧勝し、以前の選挙より多くの議席を確保した。朝日新聞は、「7月の参議院選挙に向けて足場を固めた」と評価した。

問題もある。最大激戦地に選ばれた大阪府・市と福岡県で敗れたためだ。特に麻生太郎副首相兼財務相は故郷である福岡県知事選で現場を訪れて応援したが、自民党候補を当選させることができなかった。


東京=パク・ヒョンジュン特派員 キム・ボムソク特派員 lovesong@donga.com