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「新型コロナウイルス」の感染有無が6時間で分かる

「新型コロナウイルス」の感染有無が6時間で分かる

Posted January. 31, 2020 08:16,   

Updated January. 31, 2020 08:16

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韓国国内で新型コロナウイルスの感染患者が確認されたことで、大規模な拡散を巡る懸念が高まっている。専門家らは、大規模な拡散を防ぐためには、正確かつ迅速な検査法を急いで確保しなければならないと助言する。

国内では、今回の事態が発生した直後、2015年のMERS(中東呼吸器症候群)事態の時に活用した検査法を臨時的に使用した。今回の新型コロナウイルスは、文字通り「新型」であるため、適した検査法がないからだ。疾病管理本部は31日から、新型コロナウイルス感染症の診断に「リアルタイム・ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)」を導入することにした。鄭銀敬(チョン・ウンギョン)疾病管理本部本部長は、「新しい検査にかかる時間は6時間程度なので、丸一日がかかっていた以前のパンコロナウイルス検査法に比べて検査結果を確認する時間が減るだろう」と語った。

今までは、ウイルス感染有無を判別するために、主に「ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)」が使われた。PCRとは、DNAの特定部分を複製して増幅させる技術だ。一度のプロセスを経るたびに、特定部分のDNAが2倍に増えるため、30回だけでやっても1つのDNA分子から10億個を超えるDNAを得る。このように、特定部分だけを増幅する理由は、遺伝子分析に活用できるだけの試料を確保するためだ。通常は、患者から得る唾液や痰には確定判定を下すのに十分なウイルスが含まれていない。コロナウイルスを区別できる塩基配列を利用してDNAを増幅すれば、その試料にコロナウイルスが存在するかどうかを簡単に確認できる。

しかしこの検査法は、数々のコロナウイルスのうち、どのコロナウイルスが存在するかは判別できない。例えるなら、人種までは分かっても個人まではっきり区別することができないのと同じだ。米疾病管理予防センター(CDC)によると、人間が感染するコロナウイルスは、SARS(重症急性呼吸器症候群)とMERS、人体に害を及ぼさないコロナウイルス4種を含めて計7種がある。

このような理由から、コロナウイルスの陽性反応が出ても、種類を確認するためには再度検体を確保して忠清北道五松(チュンチョンブクド・オソン)の疾病管理本部に送る必要があった。ここで塩基配列の解読を経て、中国で発表したウイルス遺伝子と比較する形で、どのような種類かを判断した。分析に一日がかかるだけでなく、いくつかの検体の分析を同時に実行するのが難しいという短所がある。

新しい検査法は、PCR技術に新型コロナウイルスのみに存在する塩基配列にぴったりくっつく「プローブ」を付ける方式である。このプローブの両端には、蛍光を出す物質と蛍光を防ぐ物質がついているが、互いについているときは光が出ない。しかし、PCRを通じてコロナウイルスの特定塩基配列が複製される過程で、蛍光物質の部分が離れていきながら光を出す。もっと多く複製されるほど光がますます増えるので、これを測定すれば、新型コロナウイルスが存在するという事実を判断することができる。

この技術は、公開されたウイルス遺伝情報に基づいて、複製する塩基配列のみ決めればいい。人間で言えば、個人を識別するために、どの指の指紋を使うかだけを決定すれば済むのだ。新型コロナウイルス事態以降、中国をはじめ、米国、ドイツ、タイ、香港はすでにこの手法を開発して活用している。韓国も検査法の共有を受けて開発を終え、試薬大量生産と検査法の評価を進めている。疾病管理本部は来月5日、民間医療機関にも検査法を提供する計画だ。


チョ・スンハン記者 shinjsh@donga.com