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不合理な自動車リコール法

Posted July. 01, 2019 08:44,   

Updated July. 01, 2019 08:44

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昨年、韓国国会が可決した法律は679件だ。1年に100件足らずの英国、日本などに比べても多いが、365日にわたって国会を開き、一日に2件ずつ勉強しなければならない規模という点で驚くべきだ。1年に約半ぐらい国会が開かれるが、与野党が互いに戦うため、開会できない日が多いのに、いったいこれだけの多くの法律をいつ審査するのだろうか。もしも誤った法が可決される可能性はないだろうか。

実際、2011年に改正された自動車のリコール法は、刑事処罰の構造が完全に間違っていたが、間違っていることも知らずに可決された可能性が高いことが、最近明らかになった。

同年8月22日、当時の国土海洋部(国土部)は自動車管理法を自動車政策基本法と自動車安全法に分けるという立法予告をした。既存の法が単純な管理行政中心なので、国民が不便で、産業の競争力が弱まっているからだと説明した。サービス行政の概念が導入され、安全を強化する方向に改正された。

この時、リコール法も変わった。リコール法は、自動車管理法第31条に、罰則は78条に規定されている。もともとは31条1項に自主的リコールを、2項に強制リコールを定義していた。2011年に法を改正したことで、2項が3項に押され、その代わりに2項に業界が自主的リコール規定に基づいて是正措置をしないためには、国土部長官に免除を申請しなければならないという内容が入った。この過程で混乱が生じた。当初の処罰規定は、強制リコール命令を違反した場合、刑事処罰するようになっていた。ところが、法が改正され、項目が3つ増えたとき、処罰規定が突然1項の自主的リコールについてのものに変わった。現在、自動車のリコール法は、業界が自主的リコールを適時に行わない場合は、10年以下の懲役、または1億ウォン以下の罰金刑を受けるようになっている。ところが、これより強い違反である国土部長官の強制リコール命令に反した場合は、処罰規定がない。

これまで自動車業界は法がこのように変わったことも分からなかったが、先日、BMW火災事故でリコールが問題に浮上したことで知ることになった。業界では、「立法過程で、誰が混同したか分からないが、明白な誤りだ」と主張する。リコールという制度は、元々メーカーが欠陥を自主的に直すように誘導するが、安全上重大な欠陥は、国が乗り出して強制するように導入されたのものなで、国の命令を拒否したときは、刑事処罰を下すのが正しい。海外のどの主要国も、自主的リコールについて刑事処罰するところはない。しかし、国土部は、ミスではないと主張する。強制リコールの命令に反した時、製作会社に販売中止を命令する別途の規定があるからだという。

国土部の主張が正しくても、このような論争的な法を変えるとき、一度も公開議論がなかったのは話にならない。また、現行法は、重大な欠陥について国の責任が漏れている。どの下りで、国民の安全や産業競争力を強化するのか分からない。

処罰に関する規定が、解釈の余地が大きいという点は特に問題だ。「安全運行に支障を与える欠陥を知った日から、遅滞なく是正措置を講じなければならない」というのが自主的リコールの規定であり、「隠蔽縮小、偽り公開したり、遅滞なく是正措置を取らなかった者を刑事処罰する」というのが処罰規定だ。安全運行に支障を与える欠陥の範囲はどこまでなのか。何台の自動車に問題が起来た時に欠陥として認めるのか。欠陥を知るのは実務者が基準なのか、最高経営責任者が基準なのか。何一つ明らかでない。このような曖昧な基準で刑事処罰まで下すのは、明らかな違憲だと学界では見ている。

幸いなことに金相勳(キム・サンフン)自由韓国党議員などが問題を認識して、自動車のリコール法改正案を提出した状態だが、議論は遅々として進まない。国土部は今より積極的に法改正に参加しなければならない。


ハ・イムスク記者 artemes@donga.com