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尹前大統領、福祉部の段階的増員案を3度拒否 医師不足の根拠なく年2千人増員を強行

尹前大統領、福祉部の段階的増員案を3度拒否 医師不足の根拠なく年2千人増員を強行

Posted November. 28, 2025 09:32,   

Updated November. 28, 2025 09:32


「医政対立」へとつながった尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府の医学部定員2千人増員決定は、尹前大統領が保健福祉部(福祉部)の段階的増員の報告を3度拒否し、「十分に増員せよ」と指示したことによるものだとする監査院の監査結果が明らかになった。尹氏と大統領室が任期内の大規模一括増員を固守する中、福祉部は医学部増員規模を拡大するために医師不足規模の「つじつま合わせ」をしたことが調査で判明した。

監査院が27日に公開した「医学部定員増員推進過程」監査結果によると、曺圭鴻(チョ・ギュホン)前福祉部長官は2023年6月、尹氏に25~30年に毎年500人増員する案を報告した。しかし尹氏は「1千人以上は増やすべきだ」との趣旨で退けた。これを受け、福祉部は同年10月、25~27年は毎年1千人ずつ増やし、28年に2千人増員する案を再度報告した。6年間で3千人から4年間で5千人増員規模を拡大したが、尹氏は「十分にもっと増やすべきだ」として受け入れなかった。

尹氏の増員要求を受け、曺氏は35年を基準に不足する医師数の算定を担当部署に指示した。福祉部は独自の推計を行わず、韓国保健社会研究院、韓国開発研究院(KDI)、ソウル大学の既存論文3本に「1万人以上不足」とある内容を参考にし、医師が1万人不足するとの報告書を大統領室に提出した。これを受け、大統領室の李官燮(イ・グァンソプ)国政企画首席秘書官(当時)は、任期内の医学部増員完了を目標に1万人を5年に分け毎年2千人ずつ一括増員する案を初めて提示したと監査員は明らかにした。

しかし、医師団体などの反発を懸念した福祉部は23年12月、尹氏に900人から始める段階的増員案と2千人一括増員案を併せて報告した。尹氏は「どうせ反発はある」として段階的増員案に反対し、一括増員案については医師団体の反発を抑える対策をさらに検討するよう指示した。

曺氏は翌24年1月に一括1700人増員案を提示したが、当時秘書室長だった李氏が「既存の2千人一括増員がよい」と意見し、最終的に24年2月に2千人一括増員案が確定した。監査院は「福祉部が初めから2千人を算出したのではなく、大統領室がより大きな規模を要求したため、それに合わせて推計根拠を作った」と指摘した。


イ・ユンテ記者 oldsport@donga.com