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中国がサウジと39兆ウォン投資協定、「ペトロ人民元構想」に現実味

中国がサウジと39兆ウォン投資協定、「ペトロ人民元構想」に現実味

Posted December. 10, 2022 08:42,   

Updated December. 10, 2022 08:42

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米国と中国のグローバル競争が激化する中、中国がサウジアラビアとの協力強化に乗り出した。米国とサウジの関係が冷え込むなか、隙を突くような形で中国の存在感が増している。特に、原油売買決算をドルの代わりに中国人民元で行う方式も議論され、「ペトロ人民元構想」が現実味を帯びてきた。

8日(現地時間)、サウジのSPA通信などによると、中国の習近平国家主席がサウジのサルマン国王、国政を事実上取り仕切っているムハンマド皇太子とそれぞれ会談し、両国の「包括的戦略パートナーシップ協定」に署名した。また、中国の経済領土拡張プロジェクト「一帯一路」とサウジ国策事業計画「ビジョン2030」の協力強化にも合意し、両国の経済協力の規模はさらに大きくなる見通しだ。

特に、中国英字紙グローバル・タイムズは同日、「中国とサウジの関係が強化され、原油決済で人民元の使用の可能性が高まった」と報じた。香港紙明報も、「両国の大規模投資協定の締結で、ペトロ人民元の基盤を固めた」と指摘した。ただ、中国に販売する一部の原油だけ人民元で決済できるだけで、基軸通貨ドルを脅かすほどの規模ではないという分析が支配的だと、同紙は伝えた。

これに先立ち7日、両国代表団はグリーン水素、太陽光、情報技術(IT)、クラウド技術、輸送、物流分野の34件の投資協定を締結した。SPA通信は、協定締結額が1100億リヤル(約38兆6千億ウォン)規模だと伝えた。これは先月、ムハンマド皇太子が訪韓し、サウジと韓国企業が締結した投資了解覚書(MOU)規模の40兆ウォンに匹敵する。サウジ市場をめぐって韓国と中国の企業間の激しい競争が予想される。

習氏は、サルマン国王との会談で、「中国はサウジを多極化した世界で重要な勢力と見ている」とし、「サウジと戦略的意思疎通を強化し、全面的に協力を深める準備ができている」と述べた。サルマン国王も、「中国の関心事はサウジの関心事」とし、「サウジは両国国民に多くの恩恵を伝える準備ができている」と述べた。ムハンマド皇太子は「一つの中国」の原則を支持した。

今回の投資協定には、米国が制裁を加えた中国の情報通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)も含まれているという。米ブルームバーグ通信は、「米国が同盟国にファーウェイとの取引を断つよう求めているにもかかわらず、サウジがファーウェイを大規模プロジェクトに参加させたことは、(米・サウジ関係の)象徴性が大きい」と分析した。中国とサウジは、経済だけでなく、2年ごとにシャトル首脳会談を開くことで合意するなど、政治的にも接近している。サウジは、中国との協力を強化し、対米関係のテコにすることができる。中国は、エネルギー安全保障の構築には中東諸国との協力が必須だ。

習氏は同日、エジプト、パレスチナ、スーダン、クウェートなど中東およびイスラム国家の指導者と連鎖会議を行った。中国国営新華社通信は、「各国の実権者たちは会談で、一つの中国の原則を支持した」とし、「香港問題、新彊ウィグル自治区の少数民族弾圧の疑いなどでは中国の立場を支持するとした」と伝えた。


金祺容 kky@donga.com · 趙은아 achim@donga.com