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「別々に、時に共に」時代に合う家とは

Posted May. 14, 2022 08:39,   

Updated May. 14, 2022 08:39

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ミレニアル世代の関係論は「別々に、時に共に」でまとめられる。いわゆる「緩い連帯」だ。弘益(ホンイク)大学建築都市学部の教授である著者は、一人で暮らしたいと思いながらも他人と触れ合いたい心理を建築で解決しようと考えた。本は著者がシェアハウス「マングローブ」を設計し、その後居住者の暮らしを分析した観察記だ。

著者は「従来の共同住居は中間がなかった」と話す。プライバシーを保護しすぎたり、コミュニティを作ろうと必死だったりしたということだ。著者が見つけた共同住居の解答は、「短いが頻繁なすれ違い」。他人と会う喜びを増やすものの、心理的な負担は減らすことが核心だ。廊下の幅を広げて交流のスパークが起こるようにし、台所の調理台と食卓を直角に配列して、振りむけば会釈できるようにする。誰とも会いたくない日のために、ラウンジを通らなくても台所に行くことができる迂迴路も設けた。

シェアハウスを作ることが終わりではなかった。著者は、居住後の評価が重要だと話す。マングローブに入居した設計デザイナーのヒョンスが助言役となった。著者は、「一人で食事をしたい時は向かい合う食卓は不便だ」という意見を聞き、一人飯の場所の必要性を知る。このほかにも、ヒョンスは見落とされていた不便な点を指摘した。一例として、共用冷蔵庫に「n分の1する人?」と書かれた卵を分け合いたくない思いだ。お返ししなければならないという重荷を減らすために、ヒョンスは冷蔵庫に食材を自由に出し入れするシェアボックスを別に作って、共有日誌を書くようにした。

ディテールなアイデアも含まれている。著者は、共同住居の空間の中央に長さ3メートルのテーブルを置いて、ソファと椅子がテーブルに向かい合って配置した方が良いと話す。スマートフォンを見る人が、「パブリックスペースの中の個人の空間」を感じ、他人の表情程度はわかる構図だからだ。「照明一つ、椅子の高さを少し変えるだけで、私と他人に対する態度が変わる」という著者の言葉が特に注目される。


キム・テオン記者 beborn@donga.com