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尹錫悦氏は伝言政治をやめて、「なぜ」「どんな」政治をするのかを言うべきだ

尹錫悦氏は伝言政治をやめて、「なぜ」「どんな」政治をするのかを言うべきだ

Posted June. 22, 2021 08:02,   

Updated June. 22, 2021 08:02

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全野党陣営の有力大統領候補とされている尹錫悦(ユンソク)前検事総長が「検証の時間」を迎えている。先週末、任命10日での報道担当の辞任と「尹錫悦Xファイル」実体攻防が同時に起こったことがきっかけとなった。正式に登板する前に、本格的な政治試験台に上がることは予想されたことだ。

大統領選候補支持率トップの伊氏は、3月に検事総長を辞任して以降、大統領候補のような、大統領候補でないようなどっちつかずの行動を見せてきた。3ヵ月ほど姿を見せず、先日、友堂(ウダン)・李会栄(イ・フェヨン)記念館開館式に顔を出したものの、再びメディアの視野から消えた。金大中(キム・デジュン)図書館を訪れたことが4日後に広報担当を通じて公開されることもあった。第三者がメッセージを代わりに伝えることが相次ぎ、「伝言政治」をめぐる論議が起きたりもした。

与野党を問わず、他の大統領候補らは報道機関に直接会う。正しくても正しくなくても自身の政治ビジョンを明らかにしている。それでこそ国民も評価し判断することができる。代表的な「検察主義者」とされる伊氏がなぜ政界に飛び込もうとするのか、どんな政治をしようとするのかについて国民は聞いていない。野党「国民の力」に入党するかどうか、政治工学的判断を急いで下せと言っているのではない。検事総長から大統領選候補に直行するほかない「政治登板」の理由を伊氏が直接自身の口で明らかにする時になったということだ。

 

伊氏が長く、大統領選を念頭に置いていたわけではない。既成政治家たちと違って、大統領選の準備に時間がもっと必要なこともある。「私は100日間ニンニクとヨモギを食べて人間になるのを待つ洞窟の中の熊」と言ったという話も伝えられている。しかし、検事総長退任後100日が経った。今は「国民が呼んだので出てきた」、「国民が示す道を行かざるをえないのではないか」という次元を越え、自身の答を出さなければならない。

 

韓国が直面した対内外の環境は厳しい。米中覇権競争の真ん中にいるうえ、北朝鮮核問題など解決しなければならない課題が一つや二つではない。コロナパンデミック後、韓国経済も大統領選の主要な話題になるだろう。不動産問題、若者の雇用問題、ジェンダー問題まで解かなければならない国家的懸案が山積している。伊氏がこのような問題にどのような識見と解決法を持っているのかが、もしかしたら「Xファイル」よりはるかに重要なリーダーシップ検証対象になるだろう。遅くとも今月末には今回の大統領選の時代精神と国家未来ビジョンについての考えを明らかにしなければならない。来年3月の大統領選は8ヵ月先に迫っている。