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北朝鮮、韓国の「金日成回顧録」出版捜査に「対決狂気」と反発

北朝鮮、韓国の「金日成回顧録」出版捜査に「対決狂気」と反発

Posted May. 04, 2021 08:24,   

Updated May. 04, 2021 08:24

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北朝鮮の宣伝用ウェブサイトが、韓国国内で故金日成(キム・イルソン)主席の回顧録『世紀とともに』の出版が問題視されていることについて、「ヒステリックな対決狂気」、「不純勢力の妄動」などの表現で強く反発した。

 

北朝鮮のウェブサイト「わが民族同士」は3日、「南朝鮮で常識を越える異常な事態が起こっている」とし、「(韓国の)法曹界と保守メディアは、回顧録の出版に対して『保安法』違反だの『利敵物』だのと騒ぎ、ヒステリックな対決狂気の沙汰を見せている」と批判した。利敵表現物に属する『世紀とともに』が国内で出版された直後、国家保安法など現行法違反論議で捜査対象にまでなったことに対して不満を示したのだ。同サイトは、「(出版を妨げることは)陽の光を遮ろうとする反動の愚かな客気、ファッショ的妄動」とし、「民族と人類に真の人生の指針を明らかにする大百科全書が今まで南朝鮮で出版されなかったこと自体が民族的羞恥」と主張した。

 

また別の宣伝サイト「メアリ」は、「出版の自由がない『自由民主主義』」と題する文で、「南朝鮮でどれだけの自由と民主主義があるのか疑問」と指摘した。同サイトは、中国が清の時代に書を燃やし儒者を生き埋めにした「焚書坑儒」にまで触れ、「人間が享受しなければならない自由の中でも最も初歩的な言論の自由、出版の自由まで奪った」と主張した。

専門家らは、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長の談話発表翌日に出された宣伝サイトの問題提起が、計算され準備された北朝鮮の対応だと見ている。全星勲(チョン・ソンフン)元統一研究院長は、「韓国社会を分裂させ、対立を助長することが、北朝鮮の対南宣伝扇動の最大の目的」とし、「2日の与正氏の談話を皮切りに対南圧迫を段階的に強めていくものとみられる」と指摘した。


權五赫 hyuk@donga.com