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ヨンモクから

Posted January. 23, 2021 08:04,   

Updated January. 23, 2021 08:04

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聖書や金剛経など、全ての経典には真理が盛り込まれているという共通点がある。誰かが真理を探そうと努めた結果が経典であり、私たちは答えを見つけようとそれをのぞき見る。多くの詩を読んでいるうちに分かるようになった。詩の中にも、経典と真理が盛り込まれている。詩も、人が魂と心を集めて作る。巣に鳥が宿るのが自然なように、切実な文章に真理が宿るのは不自然ではない。

どの詩が経典のようかと聞かれたら、こう答える。重重しい悟りをあたえる詩。私の襟を正して背筋を伸ばす詩。汚辱と苦悩に打ち勝って帰ってきた詩。ユン・ジュンホ詩人の「ヨンモクから」がそういう詩だ。

地名であるヨンモクは、忠清南道泰安郡安眠島(チュンチョンナムド・テアングン・アンミョンド)の海辺にある港。東海(トンへ)の海は日の出が美しく、西海(ソヘ)は日の入りが悲しいところ。西海の中でも島、島でも南端、さらに行くことのできない所に立って、詩人は日の入りを見ている。人生でそうであるように、日没は象徴だ。私の人生も終わるんだな、それを知った人たちは日没を無心に眺めることができない。残り少ない時間の間、燃え上がるように生きたい。

日没の年齢と日没の時間の前で、一人の人間がこのように望んだ。有名な人として名は知られていないが、人間らしく生きたい。日没の切実さが日の出の望みより劣っているのだろうか。世の中には、上る太陽だけがあるわけではない。暮れる太陽も美しく、素晴らしい。