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先祖から「生存の答え」を探す

Posted October. 24, 2020 09:11,   

Updated October. 24, 2020 09:11

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伝染病の大流行、環境汚染による気候変動、核戦争の脅威…。現在、人類生存を脅かす要因は数えきれないほど多い。新型コロナウイルス感染症は、全世界の累積感染者が4100万人を記録している。マスクをつけない素顔が「異常」である時代が終わる約束などない。

しかし、著者は、「先祖よりは私たちのほうが、いくつか増しではないか」として、人類が耐えてきた悲惨な歴史的現場に読者を連れて行く。ジャーナリスト出身であり、終末論をテーマにした米ポッドキャスト「ハードコアヒストリー」を手がけてきた著者は、歴史の中で繰り返された危機をどのように克服したのかを探ってみて、これから繰り広げられる危機シナリオを論ずる。

まず、多くの死者を出した伝染病の歴史に注目した。最も深刻だった伝染病は、1300年代に中世欧州で流行ったペストだ。伝染病についての基本的医療知識すらなかった時代、欧州人たちは「世界に終末が来た」と信じていた。ネズミを宿主とするペスト菌が人間に伝染されて、半世紀の間に7500万人ほどが死亡した。治療薬が開発され、もはや人類を脅かせなくなったが、著者は、ペストの後に崩れた国家システムと宗教権威について説明しながら、私たちがこれから準備しなければならない社会文化的後遺症の治療の重要性について強調する。

人類は、ローマなどの巨大帝国の崩壊、世界大戦、大恐慌のような危機を経験した。米国の日本広島への原爆投下後の核兵器の脅威は、現在進行形と言える。著者は、いつ爆発するかわからない核戦争の危険を抱えて生きている状況を「地獄への道」に例えて警告する。

現在の状況が「先祖より増しだ」と言いながらも、この本は、未来について悲観的だ。米国で発刊された本の原題「The End is Always Near(終末はいつも近くにある)」のように、脅威は常にあったし、私たちはこれに対抗して戦って勝つ態勢を整えなければならないと主張する。時系列順、テーマ別分類などが一目瞭然ではなく、散発的で、伝達力が足りないことは残念だ。


崔고야 best@donga.com