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「ノー・ジャパン」が落ち着くと、日本書籍の出版が背伸び

「ノー・ジャパン」が落ち着くと、日本書籍の出版が背伸び

Posted October. 07, 2020 08:08,   

Updated October. 07, 2020 08:08

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昨年7月、日本の輸出規制措置への対抗として行われた「ノージャパン(No Japan)」運動の影響で低迷していた日本書籍の出版の扉が開かれる雰囲気だ。昨年出版されるはずだったが、韓日外交関係の悪化で数ヶ月以上出版を見合わせていた小説が出ている。

民音社(ミンウムサ)は先月、日本人作家・三島由紀夫(1925~1970)の小説「春の雪」を韓国内で初めて出版した。三島は小説「金閣寺」(1957年)で世界の文壇から認められて、ノーベル文学賞候補に数回取り上げられたが、天皇統治を主張するなど、極右性向で国内に出版された本は多くない。彼は1970年11月、陸上自衛隊の駐屯地に潜入して、建物の屋上で自衛隊の決起を促す演説後、切腹して衝撃を与えた。

民音社の関係者は、「春の雪は翻訳が難しく、時間が長くかかった理由もあるが、日本産不買運動まで重なって、2017年の契約以来、3年ぶりに出版した」とし、「作家性向のために販売を懸念したが、読者の反応は悪くない。不買運動開始から1年が過ぎて『文学は文学に過ぎない』と認識しているような気がする」と話した。

国内のファン層が厚く、今年も作品が着実に出てきた東野圭吾、宮部みゆきのほか、相対的に知られていない日本人作家の小説が読者に会う機会も徐々に増えている。今年8月だけでも、「数の女王」(川添愛著・チョンミレ)、「彼女たちの犯罪」(横関大著・セムト)、「滅びの園」(恒川光太郎著・静かな息)、「ティンカー・ベル殺し」(小林泰三著・黒い森)、「さよならの手口」(若竹七海著・私の友人の書斎)などが相次いで出版された。

教保(キョボ)文庫入庫書籍基準の毎月新刊日本小説は、昨年1月の121冊から徐々に減少して、今年3月は61冊まで落ちた。しかし、6月は86冊へと小幅上昇するなど、上昇の兆しを見せている。

しかし、日本小説の国内への「参入障壁」はまだ高いと、出版界は分析する。2004年から日本の推理小説を出しているジャンル文学専門出版社・ブックスフィアは、今年7月と先月、それぞれ南杏子の「サイレント・ブレス」、宮部みゆきの「黒武御神火御殿」を出版した。これらの本は、昨年末に読者と会うはずだったが、その日程が半年以上延期となったのだ。ブックスフィアのキム・ホンミン代表は、「日本文学ブームが起きた2008~2010年は、版権を巡る競争が激しく、『版権料バブル』の論議も起きたが、今回の不買運動の事態を経て、その戦勢が逆転された」とし、「反日感情の影響を大きく受ける読者の特性上、韓日関係に基づいて日本書籍の販売は浮き沈みを経験せざるを得ない」と話した。


崔고야 best@donga.com