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トランプ氏「後任を迅速に指名」、民主党が反発

トランプ氏「後任を迅速に指名」、民主党が反発

Posted September. 21, 2020 08:35,   

Updated September. 21, 2020 08:35

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米最高裁で「リベラルの象徴」だったルース・ベイダー・ギンズバーグ判事が他界し、ワシントン政界では後任をめぐる「最高裁判事承認争い」が本格化している。大統領選を目前にした時に最高裁の構成に大きく影響し得る後任の任命の時期と人選をめぐって、政界ではすでに熱い攻防が繰り広げられている。

トランプ米大統領は、ギンズバーグ氏の死去翌日の19日(現地時間)、記者団に、「(後任候補の)リストを持っており、来週に後任を指名する」とし、「非常に迅速に行われる」と明らかにした。トランプ氏は約45人の候補の名前が書かれたリストを持っているとし、「女性になるだろう」と述べた。

また、「迅速に決定を下し、議会に送る」とし、「(後任指名の)手続きが進められなければならない」と力説した。候補に名前が挙がっているバーバラ・ラゴア第11連邦高裁判事、エイミー・コニー・バレット第7連邦高裁判事について質問されると、「2人とも非常に尊敬される裁判官」と答えた。トランプ氏は、その後行われたノースカロライナ州での演説でも、「非常に能力あり賢明な女性が(後任の最高裁判事に)なるだろう」とし、「数人の女性がリストに挙がっている」と述べた。演説会場に集まった支持者は、「フィル・ザ・シート(Fill the seat)」と連呼した。

 

連邦最高裁判事は定員が9人で、ギンズバーグ氏の死去によって、保守派が5人、リベラル派が3人となった。トランプ氏は2017年の就任後、ブレット・カバノー、ニール・ゴーサッチ氏ら保守派2人を最高裁判事に任命した。ギンズバーグ氏の後任に保守派を任命することになれば、保守とリベラルの割合が6対3になる。リベラル陣営としては命がけで阻止しなければならない状況だ。

 

実際、保守陣営では、「保守の最高裁判事が任命されれば、これまでのリベラル寄りの判決が覆される」という観測が流れている。上院法司委員会所属の共和党のジョシュ・ホーリー議員は、メディアのインタビューで、「トランプ氏が任命することになる指名者は『ロー対ウェイド事件(Roe vs Wade)』判決が誤ったと明らかにすると確信する」と述べた。この判決は1973年に妊娠6ヵ月までは女性が堕胎する権利を認めたもので、リベラル判決の代名詞とされている。このほかに銃規制や性的マイノリティの権利なども判決が保守的に流れる可能性が高い。

共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務は同日、「トランプ氏が任命する後任指名者は、上院で承認されるだろう」とし、迅速な議会承認を公言した。法司委員長でトランプ氏の側近であるリンゼー・グラム上院議員もツイッターに、「後任の最高裁判事の指名と関連して前に進もうとするトランプ氏のいかなる努力も支持する」と述べた。グラム氏は2018年、メディアのインタビューで、大統領選を控えて最高裁判事の任命を強行することに反対の立場を表明したが、今回は180度立場を変えたのだ。 

一方、民主党大統領選候補のバイデン氏は、「有権者が大統領を選び、その大統領が上院で検証する最高裁判事を選ばなければならない」とし、「最高裁の判決は、今後数世紀、全てのことに影響を及ぼすだろう」と主張した。民主党のチャック・シューマー上院院内総務も、「新しい大統領が任命されるまでは空席にしておかなければならない」と主張した。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com