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米朝シンガポール会談から2年、非核化は失踪し韓国は人質になった

米朝シンガポール会談から2年、非核化は失踪し韓国は人質になった

Posted June. 12, 2020 08:00,   

Updated June. 12, 2020 08:00

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北朝鮮が11日、米国に対して南北関係に口出しするなとし、「おぞましいことに遭いたくないなら、口を閉じて自分の家の整理でも上手くやれ」と主張した。さらに、「それが目前の大統領選を無難に行うことにも有益だろう」と強調した。米国が、北朝鮮の南北間通信の全面遮断に「失望した」と明らかにしたことへの反応だ。米国務省は10日、言及を自制していた北朝鮮人権問題を取り上げ、関係正常化の条件に提示した。

北朝鮮の対米警告は今日で2年になるシンガポール米朝首脳会談に対する反応でもある。北朝鮮はこれまで米国に「幻滅と怒り」を感じたとし、「南北関係の進展の兆しが見えれば、阻止できずに焦り、悪化するようだと心配するようなふりをする」と非難した。しかし、最近の露骨な対南非難に比べれば、その程度は低い。北朝鮮メディアは11日も、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対して、「それでも人間らしく見えたが、今見ると先任者たちよりひどい」とした。

北朝鮮は今、なんとかして米国を刺激しようとしている。11月の米大統領選を取り上げたのも、国内問題に気をとられているトランプ大統領の関心を引くことが狙いだろう。北朝鮮としては、米国の「失望」はむしろ無関心に近い生温い反応と受け止めているようだ。そのため、米大統領選を揺さぶる挑発を強行できるという警告を送ることで、韓半島の状況管理に傾いている米国の「戦略的無視」に不満を表出したのだ。

シンガポール会談そのものは北朝鮮の勝利だった。敵性国家の首脳との歴史的対座というイベントに惹かれたトランプ氏は、米兵遺骨の送還と非核化爆破ショーを見返りに金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に大きな期待を与えた。その後の米朝関係の失墜は当然の結果だった。しかし、その間に北朝鮮の非核化はどこかに消えて空しいレトリックだけが残され、北朝鮮は再び核実験と長距離ミサイルの実験中止という最後のレッドラインを越えるための大義名分を築いている。

今、北朝鮮は2年前のシンガポール会談、さらに3年前の韓半島危機を再び計算に入れ、米大統領選の行方を注視している。当時は韓国を飛び石と見なしたが、今は韓国の手足を縛って口を防ぎ、米国に直接対すると意気込んでいる。北朝鮮の脅迫に、韓国は脱北者活動を阻止して事実上の人質の身になった。米朝間の仲裁者を自任してきた韓国だが、迫り来る危機状況に割り込む資格まで失いつつある。