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「G7プラス」参加、米中新冷戦の荒波を乗り越える外交力の試験台だ

「G7プラス」参加、米中新冷戦の荒波を乗り越える外交力の試験台だ

Posted June. 03, 2020 08:31,   

Updated June. 03, 2020 08:31

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、トランプ米大統領の主要7ヵ国(G7)拡大首脳会議の招待に「喜んで応じる」と前向きに応えた。トランプ氏は1日、韓米首脳電話会談で、「G7は古い体制」とし、拡大案を模索していると繰り返し明らかにした。大統領府は2日、「文大統領の訪米が実現すれば、一時的に参加する『オブザーバー』ではなく、G11またはG12の正式メンバーになるだろう」と強調した。

トランプ氏の招待と文氏の受諾で、韓国の「G7プラス」首脳会議の参加は表面化する様相だ。むろん、コロナ変数で具体的な日程と形式は決まっていないが、今年のG7議長国の米国の招待を受けたので、文氏はオブザーバー資格以上の地位で参加することになる。経済規模世界10位の韓国が当然立たなければならない舞台に堂々と上がるのだ。

むろん、このクラブの正式メンバーになるには、既存の加盟国の同意がなければならない。韓国の参加に対して日本の牽制が憂慮され、ウクライナ侵攻で追放されたロシアの再参加に欧州国家が簡単に同意するかも疑問だ。さらに、11月に大統領選を控えたトランプ氏の選挙用「外交ショー」という観測も流れている。特に、米国が最近力を入れている反中国連合体に付き添う格好になるというのは大きなプレッシャーと言わざるを得ない。

それでも「G7プラス」への参加は、国際社会で韓国の発言権を高め、静かな傍観者から主要プレーヤーに変身することができる。政府は、中国の習近平国家主席の年内訪韓も推進している。米中新冷戦の中、双方の間で妥協を説得する役割を果たすこともできる。政府は、行き詰まった北朝鮮の非核化交渉の再開に向けた絶好の機会と考えているようだ。

問題は、そのような期待を裏づける外交力を備えているのかどうかにある。昨今の米中対決は、中国の挑戦に対抗して既存の国際秩序を再編しようとする米国の反撃だ。韓国に「G7プラス」への参加と習氏の訪韓は、餅と時限爆弾を両手に持つことだ。未熟で鈍い外交では、米中の激突に巻きこまれ、誤解と不信だけを買う恐れがある。

リスクのないチャンスはない。綿密で柔軟な対応で危険を減らし、実益を得ることがまさに外交力だ。これまで韓国は、北朝鮮問題に足を引っ張られ、「戦略的曖昧性」という名の下に隠れていた。国際協力と平和、人権といった原則すら口に出すことをためらった。「静かな外交」では国際舞台のプレーヤーにはなれない。韓国外交は真の試験台の前に立たされた。