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米国防長官「合同軍事演習縮小」…揺れる同盟に能動外交で対処せよ

米国防長官「合同軍事演習縮小」…揺れる同盟に能動外交で対処せよ

Posted November. 15, 2019 08:34,   

Updated November. 15, 2019 08:34

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エスパー米国防長官が13日、韓国に向かう途上で、「外交的必要性により演習態勢を調整する」と述べた。北朝鮮の非核化協議に役立つなら、韓米合同軍事演習を縮小できるということだ。直前に、北朝鮮が今月中旬に実施される韓米合同空軍演習に対して「米国の分別のないやり方をこれ以上傍観することはできない」と警告したことへの反応だ。

北朝鮮は13日夜、異例にも「国務委員会報道官」名義の談話を出した。最近、相次いで高位級を前に出したのに続き、金正恩(キム・ジョンウン)氏が委員長を務める国務委員会の談話まで発表したのは、今後の大きな挑発の手続きと見ることができる。談話は、「我々は米大統領が自慢できるものを与えたが、受けたのは裏切りだけだ」とし、正恩氏の心の内を代弁するようなニュアンスだった。年末まで交渉に進展がなければ、一昨年のような危機局面に戻すという脅迫だ。

韓米はこれまで、大規模な合同軍事演習を事実上廃止し、規模を大幅に縮小したり、図上演習に変えた。にもかかわらず非核化措置は全くなく、相次ぐ短距離挑発を強行した北朝鮮が反発するのは話にならない。エスパー氏が演習調整の意向を明らかにしたのは、北朝鮮を交渉テーブルに引き出すためかも知れないが、これまで米国は「北朝鮮の怒りを気にして演習の規模を決めることはない」と言ってきた。北朝鮮の挑発中止の約束を取り付けるのが先だろう。

韓米同盟の三大軸である連合司令部と在韓米軍、合同軍事演習はすべて揺らいでいる。合同軍事演習は大幅に縮小され、韓米連合軍司令部も戦時作戦統制権の返還にともなう指揮体系論議に包まれた。米国は、在韓米軍まで駐留経費負担増額のカードに利用している。そのうえ、一週間後の日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了を控え、米国は憂慮を越えて強力な警告を投げかけている。

北朝鮮は、自分たちが設定した年末の交渉期限が迫り、脅威を強めている。にもかかわらず、韓米同盟は漂流し、安保不安は大きくなっている。各種懸案が入り乱れているが、そうなればなるほど国益が何かを基準に戦略的に判断しなければならない。優先順位と軽重によって得ることと差し出すことを分ければ、行動の幅も広がる。政府は、相手の措置だけ待って反応する受動的な外交から脱し、自分たちが率いる能動的外交に切り替えなければならない。