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孫の給料から30%を差し引く年金、国民が望む未来ではない

孫の給料から30%を差し引く年金、国民が望む未来ではない

Posted September. 28, 2022 08:52,   

Updated September. 28, 2022 08:52

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が3大改革課題の一つに挙げて推進に意欲を示した年金改革が空回りするという指摘が出ている。国会年金改革特別委員会は2ヵ月近く開店休業の状態であり、政府の改革案は来年10月に提出される。最大野党「共に民主党」が、国民年金の改革は差し置いて基礎年金の引き上げを推し進め、状況はさらに複雑になった。世代間の対立を乗り越える年金改革策を模索した東亜(トンア)日報の企画「国民年金、共存に向けて」に参加した専門家たちは、年金改革の火種が消える恐れがあると懸念した。

遅々として進まない政府や政界の議論とは別に、年金改革の緊急性は高まっている。世界最低水準の韓国の出生率はさらに悪化し、2057年に予定されていた枯渇時期が繰り上げられる可能性が高くなった。経済協力開発機構(OECD)も、韓国の年金改革の緊急性を指摘し、保険料率や義務加入年齢を高めることを提案した。フランスのマクロン大統領は、ゼネストに阻まれ、一度退いた年金改革を再び推進する方針を明らかにしている。

年金改革に政界が積極性を見せないのは、どう変えても損をする世代ができるからだ。保険料を高めれば青年層が、支給開始年齢を遅らせると引退を控えた中年層が、支給額を減らせば高齢層がそれぞれ経済的負担を負うことになる。改革に手を出した過去の政府が、密かに手を引いたのは票の役に立たないと見ているからだ。

しかし、未来世代に引き継がれる過度な負担に対する国民の心配は大きくなっている。今年生まれた子供が35歳になった時は、稼いだ金の30%以上を保険料として払わなければ年金制度が維持されない。税金や健康保険料を合わせれば、負担は所得の半分を超える可能性がある。本紙の調査で「孫たちも受けられるよう、年金を3年遅く受け取ろう」という提案に高齢層の過半数が、「子供たちや青年のために、保険料を10万ウォンさらに払おう」という提案には2030世代の半分以上が賛成したのは、このような過度な負担を後世に引き継がせてはならないと考える人が多いという意味だ。

すべての世代が少しずつ譲歩する合理的改革案を作り、十分な説得過程を経るなら、世代妥協を通じた年金改革は不可能なことではない。韓国に先立って年金制度の壁にぶつかったスウェーデンや日本などの先進国も、改革を通じて持続可能な制度を作った。政府と国会は未来世代を心配し、統合と連帯を望む国民の本音を推し量り、年金改革に拍車をかけなければならない。