Go to contents

医療部門の韓国版ARPA-H、英国の非営利組織「ウェルカム跳躍基金」に注目

医療部門の韓国版ARPA-H、英国の非営利組織「ウェルカム跳躍基金」に注目

Posted September. 28, 2022 08:54,   

Updated September. 28, 2022 08:54

한국어

米国防総省傘下の中心研究開発組織であるDARPA(国防高等研究計画局)は、国防政策のための様々な研究開発プロジェクトを管理・監督する所だ。ここで、1960年代に軍事ネットワークを研究しながら、最初のインターネットが開発されたりもした。DARPAは、コストが多くかかり失敗の可能性も高いが、成功すれば、画期的な軍事力の発展を成し遂げられるプロジェクトを推進することができ、世界各国でベンチマークする研究組織だ。米政府は、DARPAのモデルを保健医療分野に適用したARPA-H(医療高等研究計画局)も設立した。

韓国政府も、DARPAのモデルを参考にして先端バイオ技術をRPA公共保健に広げる「韓国版ARPA-H」の設立を国政課題として推進している。こうした動きの中で、DARPAをベンチマークした多様な国際組織の中で保健分野の研究開発を支援するウェルカム跳躍基金(Wellcome Leap)に注目する必要がある。ウェルカム跳躍基金は、グローバル慈善団体である英国のウェルカム信託財団(Wellcome Trust)が国際保健の問題を解決するために2020年に設立した非営利組織だ。

ウェルカム跳躍基金のリギナ・ドゥーガン代表(写真)は26日、東亜(トンア)日報との書面インタビューで、「新型コロナウイルス感染症事態において、ワクチンの開発は一度の革新がどのような変化をもたらすかを示す克明な事例だ」とし、「このような状況で、国がDARPAなどをベンチマークした革新研究開発モデルを採用するなど、解決策を探すのは当然なことだ」と話した。ドゥーガン代表は、第19代DARPA局長を歴任した。

ウェルカム跳躍基金は、保健分野の難題を解決する研究プロジェクトを推進し、支援することを手掛けている。ドゥーガン代表は、「DARPAで働きながら、解決の可能性があり、人類に重要な問題なら無条件に試みなければならないという人生の教訓を得た」とし、「『もし』を強調しながら、保健分野に変化を起こすことができる結果の創出のために努力している」と述べた。

ウェルカム跳躍基金は、さまざまな学問分野の専門家らをプロジェクトチームとして構成し、プロジェクト期限(3年)を置くDARPAの運営方法をベンチマークした。世界75万人以上の研究員と技術者が、ネットワークでつながっている。ただ、ドゥーガン代表は、「DARPAは、特定国家の戦略的利権のために設計されたが、ウェルカム跳躍基金は、地球的問題を解決するための世界の活動家の集いを作るために設計された」と話した。韓国型ARPA-Hの模型の開発を成功させるためには、何が重要だろうか。

ドゥーガン代表は、「これまでなかった組織であるだけに、資金調達や支援体系に対する革新的アプローチが必要だ」と繰り返し強調した。氏は「ただ資源投入だけでは十分ではない。支援結果を保障してもらおうとするのではなく、革新を起こす確率を高める方法で組織を設計してこそ長く続くことができる」とし、「また感染症や気候変動などは、国や学問間の境界を跳び越えて人類に脅威になっているが、これを解決するための努力も、やはり国と学問の境界を越えなければならない」と話した。


崔고야 best@donga.com