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首都圏に115年ぶりの豪雨、脆弱階層にさらに苛酷な災難にならないように

首都圏に115年ぶりの豪雨、脆弱階層にさらに苛酷な災難にならないように

Posted August. 10, 2022 09:31,   

Updated August. 10, 2022 09:31

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ソウルに一昨日と昨日、年平均降水量の30%を上回る451.0ミリ(午後2時基準)の記録的な大雨が降った。一昨日の一日の降水量は、1907年に気象観測が始まって以来、115年ぶりの最高値だった。1時間当たりに最大141.5ミリの雨が集中的に降り、ソウル道林川(トリムチョン)や中浪川(チュンランチョン)などが氾濫し、土砂崩れが発生した。ソウル・京畿(キョンギ)・仁川(インチョン)の道路のいたるところが統制され、地下鉄の一部区間は運行が中止となった。都心が麻痺したことで、市民は通勤途中の交通大乱に見舞われた。残念な人命被害も大きかった。中央災難安全対策本部によると、2日間で8人が死亡し、6人が行方不明になった。

2010年の光化門(クァンファムン)広場の浸水、2011年の牛眠山(ウミョンサン)の土砂崩れを経験したソウル市は、2023年までに34の常習浸水地域に1兆5300億ウォン余りを投入して防災施設を整備してきた。下水道やポンプ管などの基準を、1時間当たりの降雨量が95ミリ以上の強度に耐えられるよう大幅に引き上げたのだ。今回被害が大きかったソウル江南(カンナム)駅の一帯は、この作業が終えられなかったという。

しかし、防災施設を完備したとしても、今回のように処理できる容量以上の大雨が降る場合は対応が難しくなる。今年2月に発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書は、大気温度と海水面の上昇で、韓国でも予測が難しい異常気象が頻繁になると予想した。最悪のシナリオを想定して、その効果と費用を考慮せずに防災施設をむやみに拡充することはできない。

それなら、今回の大雨で見られるように、異常気象による被害が集中しやすい脆弱階層からケアすることが必要だ。一昨日、ソウル冠岳区(クァンアクグ)の半地下の住宅が浸水し、40代の女性と彼女の発達障害の妹、甥が死亡した。劣悪な住居環境に加え、障害により避難が容易ではなかっただろう。京畿道華城(ファソン)では、土砂崩れで寮用コンテナが崩れ、40代の中国人労働者が死亡した。避難さえ難しい脆弱階層に天気を正確に知らせ、あらかじめ安全なところに移動を助けるシステムからきちんと構築されなければならない。

今年の欧州は猛暑、米国は豪雨に苦しむなど、異常気象が日常化する兆しが明確になっている。わが国も例外ではないだろう。異常気候に対応した防災施設の改善、脆弱階層の保護と共に根本的に気候変化を遅らせるための社会全般の努力も並行しなければならないだろう。