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ヒットラーとスターリンの握手

Posted July. 05, 2022 09:26,   

Updated July. 05, 2022 09:26

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第1次世界大戦が始まる前、ドイツは戦争の準備をしながら絶対にロシアに侵攻してはならないという原則を立てた。万一侵攻するなら、ウクライナに限定する。ドイツに必要な土地はロシアではなくウクライナだった。幸いこの時はこの原則が守られた。

 

1930年代、ヒットラーのスローガンは「ドイツの生存」だった。ドイツ民族が生存するためには、さらに広い領土が必要だということだ。ヒットラーは、ポーランド、チェコ、ルーマニアなど東欧国家に目をつけ、ここを得るためにソ連との一戦も辞さないとした。1938年、ヒットラーがチェコを併合した。ベルサイユ体制を廃棄して再武装を宣言したドイツは、いつのまにか欧州で最強になっていた。フランス軍部はドイツ軍の方がより強く、自分たちは防衛は可能だが攻撃は難しいと告白した。そのうえ、英国とフランスでは1千万の犠牲者を出した第1次世界大戦の悪夢が続いていた。

この時、目に映った国がソ連だった。ソ連は第1次世界大戦の時、連合軍と共にドイツと戦った。ヒットラーは、チェコの次にポーランドを狙った。ソ連としては、ドイツがポーランドを占領すれば、ウクライナが危険だった。ドイツは第1次世界大戦の前からウクライナも狙い、ヒットラーは口を開けば、マルクス主義の撲滅がナチ党の使命だと主張した。

ポーランドもこれを知ってソ連と相互防衛条約を結んでいた。英国とフランスの使節団がモスクワに行った。3国が力を合わせてヒットラーの野心を挫くということだ。情勢上、拒否できない提案だったが、スターリンは気乗りしなかった。ソ連には、ウクライナを保護する方法があった。ポーランドをドイツと半分ずつ分けることだ。そうして秘密裏に誕生した条約が独ソ不可侵条約だった。両国はポーランドを侵攻して二分し、英国とフランスは努力するふりだけをして終わった。

ウクライナ戦争が膠着状態に入ると、ロシアはロシアのエネルギー依存度が高いドイツを脅迫し始めた。両国はまた手を握るのだろうか。今回はそのような可能性は低いが、いつ誰が裏切るかわからない。いや国際政治には裏切りという単語すら存在しない。