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「ミーム」を作った緩いけど広大な絆

Posted June. 25, 2022 09:11,   

Updated June. 25, 2022 09:11

한국어

言語は、インターネットの登場後、この30年間、爆発的なスピードで進化してきた。オンラインコミュニケーションとインターネット言語を研究してきた著者は、密接な人々の間ではなく、外部との接触が多いほど言語の変化が大きいと主張する。インターネットは地理的限界を超え、どの空間よりも多様な人々と無数の接触面を作り出している。

著者は、多様なインターネット言語の事例を紹介し、このような現象の背景について分析する。インターネットで流行する映像やイメージ、表現などを意味する「ミーム(meme)」は、オンラインで毎日新しく生まれ再構成される。「これ以上の詳しい説明は省略する」という漫画の一シーンと台詞は、インターネットの掲示文やソーシャルネットワークサービス(SNS)の対話の多様な脈絡で使われる。インターネットの検索バーに「猫ミーム(lolcat)」と検索すれば、どれが原本なのか分からないほど数多くの表情の猫の写真と面白い吹き出しを見つけることができる。

ミームのように、原本に様々な脚色を試みた事例は古くからあった。紀元前8世紀に書かれたホメロスのトロイ戦争の叙事詩「イーリアス」も、その出発は口伝文学だった。それに比べて、現代のミームは、インターネット上の「ミーム生成器サイト」を通じて誰でも簡単に多様なバージョンのミームを作ることができる。インターネットの簡単なアクセスと拡張性が、幅広い会話の仕方と流行を引き出している。著者は、「ミームは、『自分はインターネット文化の構成員であり、私の言葉がわからなければ、あなたはインターネット文化に属していないと話す方法』でもある」と話す。

アナログ時代は、気持ちや表情を表現するためには、紙に文字で書かなければならなかった。簡単に映像や絵を使うことはできなかった。インターネット時代は、絵も文字のように絵文字を通じて自由に表現できる。オンラインの簡単な文字の入力方法で表現の限界を越え、その変化は引き続き進んでいる。

オンラインでは、「モンモンイ(ワンちゃん)」よりは「デンデンイ」という表現が溢れている。このようなインターネット言語が、言語破壊を助長するという懸念もある。しかし著者は、「言語は究極的な参加型民主主義だ」とし、自然な変化であることを強調する。


鄭盛澤 neone@donga.com