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ウォン相場が13年ぶりに1ドル=1300ウォン、「韓国売り」が爆発すれば大型危機を迎える

ウォン相場が13年ぶりに1ドル=1300ウォン、「韓国売り」が爆発すれば大型危機を迎える

Posted June. 24, 2022 09:13,   

Updated June. 24, 2022 09:13

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昨日、ソウル外国為替市場で対ドル・ウォン相場は、前日より4.5ウォン安ドル高の1ドル=1301.8ウォンで取引を終えた。為替相場が1ドル=1300ウォン台を超えたのは、2009年7月以後、約13年ぶりのことだ。米連邦準備制度のジェローム・パウエル議長が、上院の聴聞会で景気低迷の可能性に言及したのが、為替相場の上昇の直接的原因となっている。

今年1月までは、1ドル=1200ウォン程度だった対ドル・ウォン相場が、5ヵ月ぶりに100ウォンほどウォン安が進んだのは、米国の緊縮の動きで韓米金利が逆転する可能性が高くなったためだ。3月から米国が金利を引き上げた結果、ドル高とウォン安の基調が続き、その過程で為替差損を懸念した外国人が韓国証券市場に投資した資金を回収し、ウォン安ドル高がさらに進む状況が繰り返されている。

ウォン安は、輸出企業の価格競争力を高める純機能をしたりもする。しかし、今のようにグローバル景気が冷え込んだ状況では、原材料を海外から持ち込む企業のコスト負担だけを増大させる悪材料として働く。油類費をドル建てで決済する航空会社は、すでに急激なウォン安で直撃を受けている。ノンバンクと民間企業が海外から調達した対外債務が1900億ドルに迫り、返済の負担が大きくなったことも問題だ。短期間で急激にウォン安が進み、民間領域で不良が生じる危険が大きくなった。

今年に入って、企画財政部はウォン安が進む度に口頭で介入に出たり、保有外交高を売り渡したが、あまり効果がなかった。昨日も、秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副首相は、「市場安定のために努力する」と言ったが、ウォン安を食い止めるのには力不足だった。韓国銀行は、かつて韓米金利の逆転期に外国人資金が流入した事例を挙げて、資本流出の懸念に一線を画している。

最近、外国人が国内株式から手を引いて債券投資を減らしているのに、政府と韓銀は状況をあまりにも軽く見ているのではないか。1997年と2008年の経済危機は、急激なウォン安と資本流出による信用収縮が実体経済に転移するのを防げなくて生じた悲劇だった。当局は、「セルコリア」の動きが堰を切ったように爆発する前に、外国為替市場の安全装置を用意しなければならない。