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悲しい皮肉

Posted January. 21, 2022 09:03,   

Updated January. 21, 2022 09:03

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苛斂誅求に苦しむ民の生活を目撃した詩人の怒り。権力者にへつらって財産を奪う狐やネズミもおり、強力な権力を振るって大通りを闊歩する虎や毒蛇もいる。下っ端の役人も高位顕職も、天の恐ろしさを知らずに暴れる。民は荒れ果てた立場なのに、反抗する思いすらできない。「つまらない想像」であることを自認しながらも、詩人は昔の清吏賛歌を繰り返してみる。英雄の再登場にかける切実な期待のためだろう。

詩は、文人詩の特有の婉曲さの代わりに、過激なほど露骨できつい喩えで一貫している。現職官吏でありながらも、滅亡直前の南宋朝廷の腐敗を強く批判した詩人、そのため、宰相から末端職を往来する極端な浮き沈みを経験したが、剛直な気概だけは折れなかった。「狐鼠(きつねと鼠)」は、「城狐社鼠」を略した言葉。「城郭に穴を掘って暮らす狐と、祠堂に棲息するネズミ」だ。権力者にへつらう「小人の輩」に例えた造語だ。彼らは、根拠地が城郭と祠堂であるため、撲滅することは容易ではない。その重要な場所にうっかり手を付けたら、「角を矯めて牛を殺す」という汚名を着せられる恐れがあるからだ。歴史の中の「悲しい」皮肉だ。

成均館(ソンギュングァン)大学名誉教授