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「コンクール成績が音楽の目的になってはならない」 巨匠ピアニストが音楽に向き合う姿勢

「コンクール成績が音楽の目的になってはならない」 巨匠ピアニストが音楽に向き合う姿勢

Posted December. 06, 2021 08:24,   

Updated December. 06, 2021 08:24

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「世界の音楽界が軽くなって問題です。コンクール至上主義、華麗な照明、目を引く演奏者の衣装などが、若い演奏者に間違ったメッセージを与えかねません」

ピアニストの白建宇(ペク・ゴンウ)氏(75)は3日(現地時間)、フランス・パリのナポレオンホテルで韓国特派員たちと会い、最近のクラシック音楽界の流れに懸念を示した。氏は6日午後8時(韓国時間では7日午前4時)、パリのシャンゼリゼ劇場でキム・ホンギ(30)、キム・ドヒョン(27)、パク・ジンヒョン(25)の若いピアニスト3人と、それぞれピアノを1台ずつ弾く「白建宇と友人たち」の協奏公演を行う。弟子は抱えないことで知られている白氏は、この3人を直接抜擢した。彼らは、モーツァルトの「3台のピアノのための協奏曲」、ラフマニノフの「交響的舞曲」、ベルリオーズの「幻想交響曲」、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」などを披露する。

白さんは同日、同席した3人の後輩を見て、「毎回『自分はなぜこれほどしか弾けなかったのか』と嘆くだろうが、振り返ってみると、若いときにできる音楽、価値、真実がある」と励ました。弟子を育てる暇もなかった過去と違い、今は弟子養成に開かれた考えを持つようになったとも話した。新しい演奏に接するため、随時、ユーチューブで若い演奏者の映像を見ているという氏は、「今回の公演でも、後輩たちとアイデアを交わした」と話した。

白さんは特に、有名コンクールの成績にこだわる現在の音楽界の「番付け」は適切でないと指摘した。氏は、「実力を積む訓練という側面でコンクールが必要な面もあるが、音楽の目的になってはならない」とし、音楽での1、2、3位の順位比較はあり得ないと話した。

「65年間ピアノを弾いてきたので、今はやれるだけやった」というマンネリズムが生まれるのかと尋ねると、「毎回『今回の演奏がよかった』という満足感はない」とし、「失敗して転倒したら立ち上がってぶつかる。そんな『愛』を捨てることができず、一生音楽をする」と答えた。「音楽はすぐにできるものではない。数年ぶりに急に世界的に有名になったというなら錯覚だ」とし、時間と努力が必要だと強調した。

アルツハイマー病を患っている妻のユン・ジョンヒ氏(77)の実家の家族らは、彼と娘が病気になったユン氏をパリに放置している」と主張している。これに先立って、10月にソウルで記者会見を開き、事実無根だと反論した。こうしたことが音楽にどんな影響を与えたのかを聞くと、「今日はその話をしたくない」と答えた。ただ「音楽の終わりは、結局人間に帰結される」とし、「音楽は私たちの人生から生まれる。『人生をどれほど深く悟ったか』によって音楽も深くなる」と付け加えた。


金潤鍾 zozo@donga.com