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ギンズバーグ氏が望んだ世の中

Posted October. 25, 2021 08:26,   

Updated October. 25, 2021 08:26

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「女性最高裁判事が何人なら十分だと考えるかという質問をよく受けます。私の返事は、9人全員です」(ルース・ベイダー・ギンズバーグ、2015年2月、米ジョージタウン大学での演説)

昨年亡くなった米連邦最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグ氏(1933~2020)の話だ。ギンズバーグ氏はしばしば、「最高裁判事が9人になって以降、常に最高裁判事は9人の男性が占めた。だが、これに対して誰も疑問を提起しない」と話した。その言葉を初めて聞いた時、思わず膝を叩いた。同じ女性として一度もこのように堂々と考えたことがなかった。

最近、働く女性を対象に講義をよくする。私が初の女性役員というタイトルを付けて働いた時と似た悩みを抱えて働く女性に会うと、常に心が痛む。講義が終われば、何となく寂しく、質疑応答に時間を多く割く。

最近よく受ける質問の1つが、ジェンダー平等に関することだ。女性がむしろ多くの特恵を受けることに不公平と感じる男性と強硬なフェミニストのうちどちらが正しいかということだ。簡単には答えられない質問だ。結論から言えば、私はジェンダー平等の答えはジェンダー和合しかないと話す。不公平だと感じる男性たちに尋ねたい。人類の歴史の長い時間、女性が受けてきた不平等を思い浮かべて感じたことがあるか。母親、妹、娘が体験し、今も体験している誤った慣習から思い切って抜け出し、男性がまず包摂するべきだ。

共に不平等の記憶を持つ人々、今でも不平等を体験している多くの女性たちに言いたい。傷を克服する方法は、その傷がいくら深くても、許しの扉を開けることだ。その扉を開けない限り前は見えない。男女が過去にとどまらず、理解し合い、互いを信じ、より良い未来をつくることを願う。ギンズバーグ氏が望んだ世の中もこのような世の中だと信じる。