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テロと21世紀

Posted October. 19, 2021 08:57,   

Updated October. 19, 2021 08:57

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米軍の撤収作業が真っ最中だったアフガニスタンのカブール空港でテロが発生し、1ヵ月後に北部クンドゥズ州のモスク(礼拝所)で、スンニ派過激派組織「イスラム国」(IS)系の「ホラサン州」(IS-K)の自爆テロが起こり、約180人の死傷者が発生した。

 

人生で体験した経験的真理によると、根拠のない楽観は実現することはないが、理由のない不吉なことは必ず現実となる。現在の状態でアフガニスタン事態が最も肯定的に進行するには、タリバン政権が以前とは違って柔軟性を見せ、国際援助と要請に応え、内政において開放的で融通性のある態度に出ることだ。しかし、このような希望は小説に近い。最悪の仮定は、タリバン政権が分裂し、その渦中でISが最大勢力として浮上することだ。意地悪な話のようだが、最初の仮定より実現の可能性が高いと考える。

先月から、欧米国家と日本は突然、アフガニスタンに数億ドルの資金を支援すると動いている。住民の暮らしが最悪の状態に陥ることを阻止する狙いもあるが、社会的セーフティネットの崩壊がタリバン政権の分裂とISの勢力拡張の土壌になるという危機感もある。一難去ってまた一難のアフガン事態を見て、こんな考えが浮かぶ。ISはなぜこのような無慈悲なテロに熱中するのか。先端兵器と強力な軍隊を持つ強大国を相手にする弱者の唯一の抵抗手段という主張も、度をかなり越えた。

宗教的情熱、狂信のためだという人もいる。時には少数のそのような人もいるだろうが、情熱的な信徒も内面を見ると、信仰のために全てを捨てて犠牲になるほど崇高ではない。挫折した夢と欲望が怒りと扇動で加工され、極端な行動で噴出するのだろうか。後者の可能性が高いと見る。この問題は、ISのような極端主義者の専有物ではない。現在、全地球を覆っている21世紀の基底現象だ。今や皆がこの問題を真剣かつ切実に直視しなければならない時が来た。