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地方大学の涙、「全額奨学金やパッドを提供しても学生が集まらない」

地方大学の涙、「全額奨学金やパッドを提供しても学生が集まらない」

Posted October. 16, 2021 09:04,   

Updated October. 16, 2021 09:04

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催眠用懐中時計が催眠をかける。時計が動く各所に、「奨学金」「就職率」「国際交流」といったキーワードがあるが、これといった説明はない。一番大きい字は、「あなたは今○○大学に来たい」。

最近、インターネットでとある大学の広告が話題になり、学齢人口の激減で生存に脅威を感じている地方大学の現実を反映したという意見が出ている。地下鉄のスクリーンドアに設置されたこの広告を見て、ネットユーザーたちは「これからは催眠までかけて、大学をPRしなければならない時代なのか」「地域内で良い大学だったのに、少子化のために揺らいでいる」という反応を示した。

先月締め切られた随時願書の受付の結果では、大部分の地方大学も昨年よりは競争率が高い方だ。ソウルの主要大学が随時の割合を減らし、今年は高校3年生が昨年より数が増えたためだ。それにもかかわらず競争率が低下した大学がある。同大学の間では「何をしても学生を集めない」という無気力さが広がっている。

ある地方大学の入学処職員のA氏は、今年3月から地元高校を巡回した。9月に行われる大学入試随時募集に備えて、生徒たちを送ってほしいという話を切り出すためだった。初対面ですぐにこのような言葉を口にするわけにはいかないので、A氏は入学担当の部長教師と3回ずつは会うために他の大学より速く動いた。部長教師に会うことのできる時間は、普通は休憩時間の10分に過ぎないからだ。

A氏の努力にもかかわらず、同大学は今年の随時募集で定員を割り込んだ。競争倍率は0.3倍で、昨年よりも下がった。新入生は無条件に、在学生は直前学期の成績が3.0を超えれば全額奨学金を受けることができ、出席さえすれば済む水準だが、学生たちを確保するには効果がなかった。

「コエックスで行われる入試博覧会は、新型コロナで2年連続でキャンセルとなりました。学生がいないのに特別な方法などありませんね。PR戦略というものなどありません」(京畿B大学の教授)。

「最近は、高校では1校の大学だけでは説明会も受け付けてくれない。入学担当の部長教師に会って資料を渡し、大学ロゴ入りの紙コップを箱ごと渡してきます。必ずしも新型コロナのためではなく、紙コップというものが必要ではあるが、お金を払って買うのはもったいないからです」(京畿C大学の関係者)。

昨年は一部の大学で、随時合格者にアイパッドやエアポッズを与えるとPRして話題になった。しかし、今年は新しい広報物が登場しなかった。とある大学の関係者は、「そんなものを提供しても来ない。学齢人口が減ったのに、どうせ首都圏に行こうとする生徒を捕まえられない」と話した。

随時募集を控えて教育部が発表した大学基本力量診断で、一般財政支援大学に選ばれなかった大学は、今年ほとんどが随時競争率が下落し、怒りがさらに大きかった。地方のD大学の関係者は、「ただでさえ入学者数が少なく厳しいのに、学生たちが『国家奨学金をもらえないのか』と尋ねている」と吐露した。

教育部によると、来年度は大学の入学定員より入学者数が8万人以上不足するという。超少子化世代が入学した今年より、1万人がさらに足りない。随時合格者の発表があれば、地方大学を選択しない受験生が増えるだろうし、定員を満たさなかったのは定時に持ち越される。地方大学の定時募集はただでさえ難しいため、来年1、2月になると、地方大学の衝撃はさらに大きくなるものとみられる。


チョ・ユラ記者 チェ・イェナ記者 jyr0101@donga.com · yena@donga.com