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借力士

Posted October. 16, 2021 09:05,   

Updated October. 16, 2021 09:05

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先日、北朝鮮軍が借力(韓半島に古くから伝わるという鍛錬法、武術)を披露したというニュースがあった。強いことを見せつけようとする狙いだったはずだ。そうだ。借力は驚くべきものであり、借力士は強い。最近は、借力は武芸よりも妙技に近いが、それでも力の強い人だけが行える。このようなものは強い者の借力、そして少数の借力だ。

それなら、この世に弱い借力士もいるだろうか。少数ではなく多数がする借力もあるだろうか。私はそういうことがないことを望んだが、詩はあると言う。兪弘濬(ユ・ホンジュン)の「借力士」に出ている。この借力士は石を楽しく割らない。彼は苦しそうに割る。誰かが石をくれるから、割ってほしいと言うから、割る。心の中では泣きながら割る。この世に恋をしに来たら本当によかったのに、借力士は「この世に割るために来た人」になってしまった。妙に見覚えがある この借力士は、まさに私たちと似ている。ここには日々苦労して生きる人々の肖像が盛り込まれている。借力とは、ハラハラする単語だ。力を借りてくるという意味だからだ。本来の自分の力でするのではなく、他人の力、薬の力まですべて引き寄せて鍛えるのが借力だ。ただ、自分の力だけで暮らしたいのに、最近の世の中はそんなことなどできない。無理に力を引き寄せて石も割り、鉄も割らなければならないほど熾烈だ。借力士の疲れは実に哀れだ。石の多い川辺に住む我々の借力士は、どれだけ多くの石を割り、また割らなければならないだろうか。

文学評論家