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空っぽの野原

Posted September. 25, 2021 08:17,   

Updated September. 25, 2021 08:17

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詩人のコ・ジンハさんは江原道(カンウォンド)で生まれて今も江原道に住んでいる。コさんの血には江原道の谷川が流れ、彼の息には江原道の空気が宿るだろう。詩人の肉体が自然に頼っているように、彼の考えと心も自然に依っている。だから彼の詩が自然を歌い、自然から生まれるのは当然のことだ。自然は頼れるのか。そうだ。自然はそんなに心強い存在か。そうだ。しかし、私は自然は常に満たすもの、豊富なものだとは思わない。自然は我々の血を満たし、我々の息も満たすが、時には自然は空っぽだ。空いて何をしようか。空いている自然さえいい加減ではない。それはいつも私たちに何かを与えている。空の状態でも我々を抱きしめようとする。

「空っぽの野原」は、コさんの初期の代表作だ。人生初の旗だったということだ。重要だということだ。この詩のメッセージを要約すると、こうだ。空いている野原に倣って私もすべてを手放そう。空いているところに、何かがぎっしり詰まっている。それに従って私を満たしてみよう。このような心がこの詩を作り、詩人の人生を作った。後に詩人は「再び空っぽの野原で」を書いた。それだけ空っぽの野原の心が重要だったということだ。そこから詩人は何を得たのだろうか。何もないことを確認してから、そこがいっぱいになっているという確信を得た。

生きていれば、このような考えを最初から、心を最初から正す必要がある。それはどこから始まるのか。空っぽになるところから始まる。心の空っぽの野原を探すことから始まる。