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北朝鮮は核に「全力疾走」、文大統領は任期内の「終戦宣言」に全てをかけるのか

北朝鮮は核に「全力疾走」、文大統領は任期内の「終戦宣言」に全てをかけるのか

Posted September. 23, 2021 09:15,   

Updated September. 23, 2021 09:15

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は22日、国連総会での演説を通じて、「終戦宣言こそ韓半島で和解と協力の新たな秩序を作る重要な出発点になる」とし、「南北と米の3者または南北米中の4者の終戦宣言」を繰り返し提案した。バイデン米大統領も演説で、「韓半島の完全な非核化に向けた真摯な外交」を強調し、「確実な約束の下、可能な計画に向けた具体的な進展を追求する」と話した。両首脳は北朝鮮のミサイル挑発については言及しなかった。

韓米両首脳の国連演説は、北朝鮮の相次ぐ挑発とは克明に対比される北朝鮮への融和メッセージに相違ない。北朝鮮は韓米の対話のジェスチャーには無関心で、5メガワット原子炉を再稼働し、ウラン濃縮工場を拡張する動きが捉えられた。最近、長距離巡航ミサイルと短距離弾道ミサイルを発射する武力示威まで行った。国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は21日、「北朝鮮は核開発を全力で進めている」と述べた。

このような状況を鑑みると、韓米首脳の発言は北朝鮮に向けられたものではなく、韓米が互いに対して投じたメッセージに聞こえる。米国はこれまで、北朝鮮の非核化履行前の終戦宣言の推進に否定的だった。北朝鮮は終戦宣言を対米圧迫手段として使ったこともある。そのため文大統領の提案は、米国としては北朝鮮への譲歩を勧告するメッセージとして受け止められるかもしれない。バイデン氏が話した「確実な約束」、「具体的な進展」は拘束力のない宣言ではなく、実質的な非核化が必要だというメッセージとも読める。

南北、米朝間の対話が行き詰り、北朝鮮の挑発が再び活発になる状況下で、文大統領の終戦宣言の提案は虚しく聞こえる。任期末の焦燥感が生んだ強引なやり方が、南北関係にどのような結果をもたらすのか文大統領は承知しているはずだ。今年5月の就任4年目の演説で、「残された任期に急いだり焦ったりしない」と話した。それが今は、「共存と協力の韓半島に向けて、残された任期の最後まで最善を尽くす」と話している。終戦宣言の提案、果たして文大統領の執着ではないのか。