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金与正氏「文大統領は愚蒙だ」、大統領府は一言もないのか

金与正氏「文大統領は愚蒙だ」、大統領府は一言もないのか

Posted September. 17, 2021 08:42,   

Updated September. 17, 2021 08:42

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大統領府は16日、北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長の文在寅(ムン・ジェイン)大統領への非難に何ら対応しなかった。大統領府関係者は、「北朝鮮の反応をいちいち評価することは望ましくない」と述べた。与正氏は15日夜の談話で、文大統領が韓国軍の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)開発の成功を「北朝鮮の挑発に対する確実な抑止力」と評価したことに対して「愚蒙なことこの上ない」と非難した。

与正氏の侮辱的な韓国への嘲弄も、それに対する政府の無対応も、今は南北関係でお馴染みのことになってしまったが、今回の文大統領への非難にも政府が口を閉ざしていることは理解できない。大統領府では、「与正氏の談話が過去に比べて形式と内容で非常に節制されている」という声もある。表現を見れば、口にするのもはばかれる過去の毒舌に比べればソフトになったのは事実だ。しかし、その不遜な言葉と不純な意図は以前よりもひどい。

与正氏は談話で、過去に使った「南朝鮮当局者」という表現の代わりに「南朝鮮の文在寅大統領」と実名を挙げた。そしてまるで「検閲官」にでもなったかのように「挑発」という単語の使用を問題視した。「大統領」という呼称を使ったのも尊重の意味が込められたのではなく、「いわゆる一『国家』の『大統領』として・・・」と言って文大統領を遠慮なく非難するためのものだった。

さらに与正氏は、自分たちの軍事力開発は韓国軍の「国防中期計画」と違いがないという厚かましい主張を説いた。北朝鮮の挑発は、韓国と北東アジア、世界の平和・安定を脅かす行為だ。特に、核・ミサイル開発は、国連の対北朝鮮決議に反する国際法違反だ。北朝鮮は、韓国大統領の口を塞げば、そのような不法行為も次第に黙認され、正当化できると考えているのだろう。

にもかかわらず、大統領府では厳しい言葉も不快という声もない。統一部当局者が非公式に「少なくとも相手に対する基本的な礼儀と尊重は守らなければならない」と話したのが全てだ。このような低姿勢を北朝鮮に対する一貫性や情勢管理の次元であると言うことはできない。それこそ北朝鮮を粋がらせ、国民に絶望を与える愚蒙と言わざるを得ない。