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月光が本当に素敵な夏の夜に

Posted July. 24, 2021 08:14,   

Updated July. 24, 2021 08:14

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最近はカカオトークを始める時に、「この暑さにお元気ですか」と挨拶する。メールで締めくくりの挨拶をする時も「暑さにもお元気で」と付け加える。少なくとも末伏までは、「暑い、暑い」という言葉がずっと口癖になるだろう。

暑すぎる真夏という事実は、パク・ヒョンジュンの詩を読むのに十分な理由になる。私たちの夏は美しくないが、彼の夏は美しい。友達も、旅行も、出会いも消えた私たちの夏は寂しいが、彼の夏は神の祝福を受けたように満ちている。エアコンの風の下でも息苦しかったら、この詩を読んでみよう。私たちが忘れてしまった涼しさとやりがいを感じることができる。

暑いことを言えば、農業を営む母の夏は、今日の私たちの夏よりさらにひどい。暑くて大変だったろう。母が仕事を終える時間は夜中、月が出た時、みんなが寝ている時だった。母の一日は、背中への水かけで終わった。背中への水かけは涼しげになる易しい方法だが、一人ではできない。誰かが水をすくって背中に流し、背中を軽くこすらなければならない。一番無防備な自分の背中を、他人に任せて拭いてもらうこと。背中への水かけとは、うつ伏せの者と水を注ぐ者との親密で優しい交流なのだ。そのためか、詩を読むと、優しい2人の親子の話し声が聞こえてくるようだ。「お母さん疲れたか、ありがとうって」「いや、お母さんは大丈夫だって、全然辛くないよ」。私たちが夏を越す力が、詩の中に入っている。

文学評論家