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全国民への支援金にこだわる与党、いつまでポピュリズムに頼るのか

全国民への支援金にこだわる与党、いつまでポピュリズムに頼るのか

Posted June. 24, 2021 08:03,   

Updated June. 24, 2021 08:03

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与党「共に民主党」は秋夕(チュソク=旧暦8月15日)前までに、全国民に対し、災害支援金を支給する案を強行することを決めた。民主党の朴完柱(パク・ワンジュ)政策委議長は22日、最大35兆ウォン規模の第2次補正予算で、全国民に対し災害支援金を支給すべきだと明らかにした。洪南基(ホン・ナムギ)副首相は昨日、国会企画財政委員会で、「全国民への支援金は考えていない」としながらも、「党と協議する過程で、被害階層を厚く支援する方向で議論している」と述べた。氏は、補正予算の規模で30兆ウォン前半と予想したが、民主党の立場と大差はない。政府も、全国民支援金の余地を残している。

政府はコロナ禍以降、第1~第4次に続き、第5次災害支援金を支給することになった。既存の支援金の効果も議論になるが、今のように景気が回復中の時点で、全国民への支援金が適切なのか疑問を抱く。世界的な景気回復を受け、韓国銀行(韓銀)は今年の成長率の見通しを年明けの3%から4%まで引き上げた。物価が上がり続けるインフレへの懸念が高まり、金利の引き上げが差し迫っている。韓銀は「2021金融安定報告書」で、不動産と株式などの資産価格のリスクは通貨危機直前の水準だと警告した。バブルが多いという意味だが、今は資金供給の時期ではなく、資金源を引き締め、負債管理に乗り出すべき時期だ。

政府は、今年第1四半期に33兆ウォンの税金がさらに取り立てられ、災害支援金の財源は十分だという。しかし、追加税収の大半が、不動産や株式市場の好況による一時的な効果だ。国家財政法は、超過税収を借金返済に使うよう定めている。今年、政府が返済すべき国債の利息だけでも20兆ウォンに迫っているが、補正予算で借金を返済するのに使う金額は2兆ウォンに過ぎない。家計のやりくりもこうはしないだろう

今年に入って景気が回復しているが、二極化の懸念は大きくなっている。対面サービス業種の危機が続き、脆弱階層は公共の臨時雇用に頼っている。韓国経済研究院によると、昨年、売上上位20%の企業は、資金繰りは改善したものの、残りは悪化した。コロナ特需を享受するところがある一方、廃業危機の零細企業も少なくない。一銭がほしい庶民が溢れているのに、経済的に余裕のある階層まで支援金を与えることは、二極化を煽るだけだ。富裕層に数十万ウォンずつを握らせることが消費活性化に役立つかも疑問だ。

税金がさらに納まれば、国の借金をまず返済しなければならない。ただでさえ失業に追い込まれている若者らに、負債の負担まで負わせることはできない。大統領選挙を控え、資金のばら撒きを除き、全国民に対して災害支援金を説明する要因などない。