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原作より魅力があるね、運命に立ち向かう彼女たち

原作より魅力があるね、運命に立ち向かう彼女たち

Posted June. 15, 2021 09:46,   

Updated June. 15, 2021 09:46

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陰謀に立ち向かって戦うハムレットの恋人オフィーリア、「大人になりたくない」というピーター・パンに「年を取る」ことの美学を教えるウェンディ。

原作で男性主人公に隠れていた女性キャラクターを主人公にしたスピンオフ映画が出ている。7月に公開される「オフィーリア」は、シェイクスピアの原作「ハムレット」で彼の恋人だったオフィーリアを主人公に打ち出した。今月30日に公開される「ウェンディ」は、原作「ピーターパン」で、ピーターパンの友達として出演したウェンディの視点から映画を作った。昨年、シャーロック・ホームズの妹を主人公にした映画「エノーラ・ホームズの事件簿」が人気を集めるなど、女性の叙事が注目され、原作で受け身の存在として描かれた女性キャラクターの主体性を強調した映画が作られている。

「オフィーリア」は、ハムレットと恋に落ちたオフィーリアの目線でハムレットを再解釈した映画だ。生まれつきの賢さで王妃の寵愛を受け、王室の侍女となったオフィーリアが、ハムレット王子と恋に落ち、以後、王国をめぐる陰謀に立ち向かって戦う過程を描いた。ウェンディは、ピーターパンと一緒にネバーランドに発った少女ウェンディの視線で、ピーターパンとネバーランドの子供たちを描いた。長編デビュー作「ビースト」(2012年)でカンヌ映画祭・カメラ・ドール賞、サンダンス映画祭審査委員大賞を受賞したベン・ザイトリン監督が8年ぶりに出した新作だ。

女性キャラクターを打ち出したスピンオフ映画の特徴は、受け身の原作の中の性格を、主体的かつ強靭に変えたことだ。オフィーリアは、原作では悲劇の前で、どうしようもなく崩れる弱い女性として描かれている。ハムレットと恋に落ちるが、ハムレットはオフィーリアの父親を殺し、これを知ったオフィーリアは理性を失って川に落ちて自殺する。悲劇的な愛の象徴だったオフィーリアは、今回の映画で、混乱した情勢の中でも自分の信念を失わず、運命を克服していく賢い人物として描かれている。

映画「ウェンディ」でも、ウェンディはピーターパンの言葉に順応した原作での性格とは全く違う。ウェンディはピーターパンについてネバーランドに行くようになり、自分も永遠に年取らないことを夢見るが、年を取ってからはネバーランドに行けない。ザイトリン監督の映画の中のウェンディは、年を取らないピーター・パンに「年を取るのはいいこと」と言って彼を説得する確固たる信念の持ち主だ。ザイトリン監督は9日、東亜(トンア)日報とのテレビインタビューで、「一緒に脚本を書いた妹のエリーザが、原作の女性キャラクターの受け身的な性格に大きな問題意識を持った。ウェンディを自分の意見を積極的に言う主体的な人物として再解釈した」と明らかにした。

断片的に描かれていた女性悪役も、新しいキャラクターとして描かれている。ディズニーアニメ「101匹わんちゃん」のクルエラを主人公にしたディズニーの実写映画「クルエラ」がそうだ。原作では、クルエラはダルメシアンたちを屋敷に閉じ込め、人に無礼なことをしたが、実写映画ではこれとは正反対のキャラクターとして生まれ変わった。母親の手に育てられたクルエラは、厳しい環境を乗り越えてファッションデザイナーになり、幼い頃から捨て犬を飼うほど動物を愛する性格を持っている。先月26日に公開された「クルエラ」は、14日基準で96万人が観覧した。


金哉希 jetti@donga.com