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ソウル・モテット合唱団が披露する「慰めの歌」

ソウル・モテット合唱団が披露する「慰めの歌」

Posted May. 18, 2021 08:05,   

Updated May. 18, 2021 08:05

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ソウル・モテット合唱団が、第117回定期演奏会を6月4日、ソウル松坡区(ソンパグ)のロッテコンサートホールで開く。タイトルは「慰めの歌」。フランス・ロマン主義の作曲家ガブリエル・フォーレの「レクイエム」(鎮魂ミサ曲)をはじめ、「パヴァーヌ」「ラシーヌの雅歌」、チェリストヤン・ソンウォンが共演する「エレジー」(悲歌)「夢のあとに」など、フォーレの作品だけで構成したコンサートだ。

純粋な民間合唱団として今年で創立32周年を迎えるソウル・モテット合唱団は、2019年12月にバッハの「クリスマス・オラトリオ」で116回の定期演奏会を行った。今回の定期演奏会は1年半ぶりのことだ。

「通貨危機当時、二人の観客から手紙をもらいました。2人とも、先の見通しが立たず、人生を終えようとしたところ、ソウル・モテット合唱団の公演を見て慰めになり、最後まで生きることを決心したという内容でした。ある方は、パン屋をオープンして自ら焼いたパンを合唱団に送ってくれました」。創立以来、団長を務めているパク・チヨン指揮者は、「新型コロナで苦しんでいる今日の韓国社会にも、再び『慰めの歌』が必要な時期だと思った」と話した。

「慰めの歌」は、ソウル・モテット合唱団にとっても必要だった。「民間が運営する珍しい職業合唱団として、わずかながら給与を支給してきました。今回の危機で合唱団自体が生存の危機に追い込まれ、団員を無給休職処理し、4大保険だけを維持してきました。団員としては失業手当を受け取った方が良い状況なので、胸が痛みます」。

本来、第117回定期演奏会は2018年10月から始まった「ソウル・モテット合唱団30周年シリーズ」の最後の公演になる予定だった。昨年4月の受難週間を迎え、バッハの大曲「マタイ受難曲」を130人の合唱団とオーケストラを含め、計180人が公演する大型プロジェクトだった。しかし、新型コロナで諦めざるを得なかった。代わりに「暖かい」フォーレのレクイエムに目を向けた。

「フォーレのレクイエムは、『審判』を警告するセクエンツィア(付属歌)の部分を省く代わりに、『天国の希望』を歌う『インパラディズム』(天国にて)で終わります。作曲家自らが「生と死に関する問題を別の次元で考えた」と言いました。レクイエムらしからぬレクイエムという批判もありましたが、死という問題から慰めを引き出した名曲です。この曲をメイン曲に決め、センチメンタルでロマンチックなフォーレの作品だけで慰めのプログラムを作ることにしたんです」。フォーレの「レクイエム」の2人のソロには、長くこの合唱団と呼吸を合わせてきたソプラノのカン・ヘジョンとベースのパク・フンウが出演する。

パク団長は、「芸術先進国のドイツの場合、新型コロナ禍を受けて首相が芸術家たちを支援するための対策を先に発表するのを見て、そのシステムがうらやましかった」と話した。氏は、「韓国の芸術支援システムは、短期的なイベントとプロジェクト支援に重点を置き、成果を出し続けてきた民間団体への支援はあまりにも劣悪で、長期的な芸術支援策だけが長期的な文化競争力を生むだろう」と語った。

2万~10万ウォン。お問い合わせは02-579-7295まで。


ユ・ユンジョン文化専門記者 gustav@donga.com