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3年8カ月ぶり高水準の伸び率示した物価、利上げの衝撃に備える時だ

3年8カ月ぶり高水準の伸び率示した物価、利上げの衝撃に備える時だ

Posted May. 06, 2021 08:13,   

Updated May. 06, 2021 08:13

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先月、消費者物価が3年8カ月ぶりの高水準となる2.3%上昇したと、統計庁が発表した。原油などの原材料価格や農産物価格の値上がりを受け、政府の物価管理目標である2%を超えている。新型コロナ禍以来、市場に供給された金が物価を刺激し続ければ、インフレの可能性も高まりかねない。物価が持続的に上がるインフレが発生すれば、金利を上げざるを得ず、家計と企業の利息返済の負担は大きくなる。問題は、景気回復が軌道に乗る前に物価と金利が上がれば、不況の中の高金利という二重苦に悩まされるという点だ。

コロナ禍で、ただでさえ萎縮した庶民の暮らしは、物価上昇だけでも直撃を受けた。ネギ、卵、肉などの食卓物価はもちろん、ガソリン価格と水道料金まで高騰した。このような状況で金利まで上がれば、庶民は生計の危機に追い込まれかねない。

ジャネット・イエレン米財務長官は4日(現地時間)、「景気が過熱しないよう、金利は多少上がるべきかもしれない」と述べた。イエレン長官は、ナスダックが2%近く急落するなど、金融市場が敏感な反応を見せると、本人の発言を撤回したが、米国の金利引き上げの可能性まで消えたわけではない。米国が金利引き上げに乗り出せば、外国資金の離脱を防ぐため、韓国も金利引き上げに踏み切らざるを得ない立場にある。

韓国銀行はまだ金利引き上げの計画を明らかにしていないが、市場金利はすでに上昇傾向を見せている。韓国銀行によると、3月までの銀行圏の住宅ローンの金利は7カ月連続、信用融資金利は2カ月連続で上昇した。利息の負担が増えたにもかかわらず、先月、5大都市銀行の信用融資は7兆ウォン近く急増した。SKアイテクノロジー(SKIET)公募株申し込みの影響が大きかったが、仮想通貨への投資需要も少なくないとみられる。銀行圏の家計負債が1000兆ウォンを超えている現状で金利が上がれば、家計融資は不良化せざるを得ない。

政府はインフレへの懸念が過度で、下半期は物価も安定するだろうという立場だ。しかし、所得減少や負債増加などで脆弱になった家計状況を考慮すれば、過度な楽観は危機を招きかねない。家計が増えた利子に苦しまれることになれば、内需低迷や金融不安へとつながり、景気回復は遅れざるを得ない。政府は拡張財政につぎ込まれる金がインフレを刺激しないか綿密に検討し、過度な資金供給は自制しなければならない。家計や企業も金利引き上げに対する警戒心を持って、負債を管理する必要がある。