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シーズン最多得点に並んだ孫興民、人種差別の悪質コメント洗礼

シーズン最多得点に並んだ孫興民、人種差別の悪質コメント洗礼

Posted April. 13, 2021 08:27,   

Updated April. 13, 2021 08:27

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孫興民(ソン・フンミン=29、トッテナム・ホットスパー)も人種差別のワナを避けることはできなかった。

孫興民は12日、ロンドンの本拠トッテナム・ホットスパー・スタジアムで行われたマンチェスター・ユナイテッドとのイングランド・プレミアリーグ(EPL)試合で、0-0で迎えた前半40分に先制ゴールを決めた。このゴールはレギュラーリーグ14点目で、レギュラーリーグでの自身のシーズン最多得点記録に並んだ。トッテナムは1-3で逆転負けした。

好記録に到達したが、試合後、孫興民のインスタグラムには誹謗中傷の書き込みが殺到した。特に、人種差別的なコメントが多かった。同日前半33分、マンUのスコット・マクトミネイが孫興民とボールを競り合って、ポール・ポグバにパスし、このボールは再びエディンソン・カバーニへとつながってゴールとなった。しかし、主審はビデオ判定(VAR)を実施し、マクトミネイが孫興民を振り切る際に右手で孫興民の顔を殴ったとして反則と共にゴール取り消しを宣言した。

マンUのファンたちは、反則じゃないのに孫興民が「ハリウッドアクション(反則を誘導するための誇張した行動)」で反則を誘導したと非難した。マンUのファンたちは、孫興民のインスタグラムに「DVDでも売れ」「孫興民は韓国ドラマ俳優」「犬でも食べてろ」など、試合内容とは関係のない中傷や人種差別的なコメントを投稿した。

孫興民の行動を巡っては両チームの監督も舌戦を繰り広げた。マンUのオーレ・グンナー・スールシャール監督は、「私の息子(SON)が相手に顔を一度打たれて3分間倒れていて、ほかの10人に支えられて立ち上がったら、私は息子に食べ物を与えなかった」と批判した。トッテナムのジョゼ・モウリーニョ監督は「孫興民にオーレ監督よりは良い父親がいてよかった。父親は子供が何をしようとも食べさせなければならない。子どものためには盗みもしなければならない」と返した。

孫興民に対する人種差別的な反応を受け、トッテナムは公式ツイッターで「いつもそうだが、うちの選手のうち1人が嫌悪すべき人種差別の攻撃を受けた。クラブは、EPLと共に調査を進め、最も效果的な対応方法を探すだろう。われわれは孫興民の味方だ」との立場を明らかにした。

公式声明で「いつもそうだが」と表現したのは、最近EPLで人種差別的な状況が引き続き起きているからだ。英スカイスポーツは12日、「今シーズンにより多くの男女サッカー選手がソーシャルメディア(SNS)を通じて人種差別的な攻撃を受けている」と報じた。

孫興民だけでなく、マンチェスター・シティのラヒーム・スターリング(ジャマイカ)、ダービー・カウンティFCのコリン・カジム・リチャーズ(トルコ)、リバプールのセネガル代表FWサディオ・マネらが人種差別的な攻撃を受けた。リバプール女子チームのリンソラ・ババジデ(ナイジェリア)はSNSで人種差別と性差別的な非難まで受けた。

こうした状況を受け、クラブと選手たちはインスタグラムやツイッターなどSNSプラットフォームの生ぬるい対応を非難している。英2部リーグのスウォンジー・シティなど一部のクラブは、1週間クラブとしてのSNSボイコットを実施した。孫興民やチームメイトのデレ・アリなども1週間、SNSボイコットに参加した。


金東昱 creating@donga.com