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「金正恩分析家」のジュン・パク氏、米国の北朝鮮政策実務を指揮…「強硬ラインナップ」完成

「金正恩分析家」のジュン・パク氏、米国の北朝鮮政策実務を指揮…「強硬ラインナップ」完成

Posted January. 28, 2021 08:20,   

Updated January. 28, 2021 08:20

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米ブルッキングス研究所上級研究員のジュン・パク氏(47)が26日(現地時間)、米国務次官補代理(東アジア・太平洋担当)に抜擢された。パク氏は今後、国務省の対北朝鮮政策業務を担う実務責任者となる。これで「ブリンケン国務長官、シャーマン副長官、ソン・キム次官補代行(東アジア・太平洋担当)、ジュン・パク次官補代理」とつながるラインナップ構成が一段落した。バイデン政権の初期の対北朝鮮政策の検討・方向設定を左右する核心となる軸だ。

● 対北朝鮮政策の実務責任者に「金正恩分析家」

パク氏は同日、ツイッターに、「次官補代理(東アジア太平洋担当)として国務省に合流することが発表できてうれしい」とし、「新しいポストでドリームチームと共に米国民に再び奉仕することができて光栄だ」と投稿した。

 

パク氏は2009年から17年まで米中央情報局(CIA)と国家情報局(DNI)で北朝鮮担当分析官を務めた北朝鮮専門家だ。17年からワシントンのシンクタンク、ブルッキングス研究所で上級研究員として活動してきた。昨年、バイデン大統領の選挙陣営に合流し、政権移行委員にも名を連ねた。

パク氏は昨年、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を分析した『Becoming Kim Jong Un』と題する著書を出版するなど「金正恩分析家」としても通じている。このため、パク氏が政策の樹立と施行を担当する国務省よりDNIに復帰するという見方もあった。これまで北朝鮮業務を担った国務省要人の中では最高位職の女性だ。

バイデン政権が発足して1週間も経っていないが、国務省が北朝鮮担当の核心実務者を指名したのは、それだけ内部的に北朝鮮問題の緊急性を認識しているためとみられる。パク氏は、ツイッターで指名の事実を伝える前から国務省の事務所に出勤し、業務の準備をしてきたという。過去、アレックス・ウォン北朝鮮担当特別副代表が務めたポストだ。

パク氏は、正確な情報を基に北朝鮮政権の内部実態や核開発の状況を誰よりも冷静に見ていると評価されている。金氏の非核化意思にも強い疑問を示してきた。しかし昨年、東亜(トンア)日報とのインタビューでは、「それでも外交的努力を続けることが最良の方法」とし、北朝鮮との対話の必要性を強調した。韓国に対しては、ブルッキングス研究所を離れる前、最後の報告書で、「文在寅(ムン・ジェイン)政府の脱北者団体に対する抑圧と対北朝鮮ビラ禁止法(南北関係発展法改正案)などが民主主義を傷つける」と辛らつに批判した。また、「韓国民主主義の力と復元力を見せることが北朝鮮に民主主義を示せる良い方法」とし、批判意見に傾聴し、人権や脱北者団体への対応の転換を文大統領に注文した。このようなパク氏の見解は、バイデン政権の対北朝鮮政策に影響を与える可能性が高い。

● 米外交安保チームに、韓国、北朝鮮専門家が布陣

 

パク氏は今後、国務省だけでなく国家安全保障会議(NSC)当局者らと歩調を合わせることになる。NSCには、カート・キャンベル・インド太平洋調整官、エドガード・ケーガン上級部長(東アジア・オセアニア担当)、ローラ・ローゼンバーガー上級部長(中国担当)ら、過去に韓国や北朝鮮業務を担った人々が布陣している。6者協議のような多者参加方式が再び議論されている時に、彼らとの調整が幅広くなされるものとみられる。ただし、国務次官補(東アジア太平洋担当)にはソン・キム大使ではなく、国務省およびNSCで北朝鮮とアジア政策を扱った別の大使級人事が最終指名される可能性も少なくないという。

北朝鮮問題に詳しい外交筋は、「バイデン政権の対北朝鮮政策担当者は、多くが北朝鮮との険しい交渉に慣れた人々」とし、「強硬な対北朝鮮認識で政策が見直される可能性がある」と話した。

 

米上院は同日、国務長官に指名されたブリンケン氏に対する承認案を賛成78、反対22で可決した。ブリンケン氏は就任直後、韓国と日本、メキシコ、カナダの外相と電話会談を行った。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com