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韓国の昔話からインスピレーション、米児童文学賞を受賞

韓国の昔話からインスピレーション、米児童文学賞を受賞

Posted January. 27, 2021 07:34,   

Updated January. 27, 2021 07:34

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20代の韓国系米国人作家が韓国の昔話からインスピレーションを受けて書いた長編童話で、米国の児童文学界の最高賞であるニューベリー賞を受賞した。

 

米図書館協会(ALA)は25日(現地時間)、昨年出版された児童文学の中から分野別に最も優れた作品を選定し、タエ・ケラー氏(27)の『When You Trap a Tiger』を「2021ニューベリー賞」の受賞作と発表した。1921年に制定され、翌年から毎年受賞者を選定するニューベリー賞は、児童文学界で世界的な権威を持つ賞の一つで、受賞者にはメダルが授与される。

審査委員団は同書について、「韓国の昔話に生命を吹き込んだ魔術的リアリズム(magical realism)の傑作」とし、「愛と喪失、希望を考えさせる」と評価した。また、「おばあさんの昔話を通じて私たちは過去を共有し、未来を作っていくことを学ぶ」と付け加えた。ニューベリー賞100回目の受賞作となった同書は、304ページで、昨年1月にペンギン・ランダムハウスから出版された。

 

ケラー氏は自身のホームページに、「(主人公の)リリーの家族が病気になったおばあさんの家に引っ越して起こった出来事」とし、「(韓国人である)祖母が私に聞かせてくれた韓国の昔話に出て来る神秘の虎が現れ、リリーに家族の秘密の歴史を明かす」と紹介した。また、「(私は)ハワイのホノルルでキムチと雑穀米、話を糧に育った」と付け加えた。

ケラー氏は2018年、小説『The Science of Breakable Things』を出した後、「人種とアイデンティティに関する話を書いている」と明らかにした。

ケラー氏の母親は、小説『Comfort Woman』(1997年)、『Fox Girl』(2002年)を書いたノラ・オクジャ・ケラー氏(54)。ノラ・オクジャ・ケラー氏は、韓国人の母親とドイツ系米国人の父親の間に生まれ、3歳までソウルで暮らし、ハワイに移住した。

 

一方、ALAは、絵本部門の最高権威を誇るコールデコット賞を『We Are Water Protectors』の絵を描いたアラスカ出身のイラストレーター、ミカエラ・コドゥ氏に授与した。1937年にコールデコット賞が制定されて以降、原住民がこの賞を受賞したのは初めて。ALAがマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の妻、コレッタ・スコット・キング氏を称えて黒人作家を対象に制定したコレッタ・スコット・キング賞の作家部門は、『Before the Ever After』を書いたジャクリーンウッドソン氏が受賞した。


イム・ヒユン記者 imi@donga.com