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似ているようで似ていない「韓中日の文化」

似ているようで似ていない「韓中日の文化」

Posted December. 05, 2020 09:02,   

Updated December. 05, 2020 09:02

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韓国人が外国で現地人に最も多く受ける質問は「中国人か」、「日本人か」。最近、K-POPのお陰で韓国に関心を持つ人が増え、「では韓国人か」と尋ねられる。個人差があるだろうが、韓中日3国の文化的特性は一見しては見分けられないほど似ている。韓国人が感じることも似ているだろう。好むと好まざるとにかかわらず昔から東アジアは交流し、箸や儒教、漢字文化などを共有する3国は似ているが、しかし異なる。

著者は本の題名である『アンタゴニズム(拮抗作用)』という生物学的概念を借用して、3国の曖昧だが微妙な違いにスポットライトを当てた。拮抗作用とは、生物体で起こる現象で、2つの要因が同時に作用してその効果を打ち消すという概念だ。

 

漢城(ハンソン)大学ICTデザイン学部の教授で、長い間、工芸品を基に3国の「文化の遺伝子」を研究してきた美術とデザイン専門家の著者は、一国の文化を作る共同体の心理と歴史を、押し合い引き合う拮抗作用と見る。文化は、再び美術や建築様式、祭り、服や装身具に影響を及ぼし、国ごとの特性が生まれる。

著者は、拮抗作用を理論的道具とし、3国の工芸品と建築物にあらわれた現象に注目する。著書では、中国の開放と閉鎖という特性を土楼という固有の住宅様式で示す。縮小と拡張という日本の二重の特性は、仏壇を通じて示される。韓国を説明する時は「トムボン」と「強迫」というキーワードを持ち出した。この概念を説明するために、格式を捨て去りつつも芸術性が優れた18世紀の金厚臣(キム・フシン)の「大快図」と高麗仏画を例示した。

 

この国の人の気質はどうで、あの国の国民性はどうだという見方は、当然誤りが付きまとうほかない。著者も承知している。著者は、「規定に反する事例は絶えず出てくるものだ。真の意味の気質論は優劣を分けようとする準備ではない。現実の問題を解くことができる最適なソリューションを見出すことに役立てるために分析することだ」と強調する。


キム・ギユン記者 pep@donga.com