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中国のアバンギャルド代表作家、彼が笑っている理由は?

中国のアバンギャルド代表作家、彼が笑っている理由は?

Posted December. 04, 2020 08:55,   

Updated December. 04, 2020 08:55

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米不動産バブルの崩壊によるグローバル金融危機が広がる直前だった2007年。英ロンドンのサザビーズオークションで、中国人作家の絵画作品が590万ドル(約65億ウォン)で落札される。当時、中国現代美術の最高価格を記録して話題になったこの作品は、岳敏君(58)の「処刑」だ。

この頃、爆発的に成長した中国美術市場には、注目と同時に「バブル」という懐疑的な見方もあった。市場の持続可能性とは関係なく、明らかなことは自国の作家に喜んで財布のひもを緩める中国の「大物」の存在感だった。その雰囲気の中で生まれた中国現代美術の一断面が見られる二つの展示が、同時に開かれている。

ソウル瑞草区(ソチョグ)の芸術の殿堂では、「岳敏君の個展:一時代を笑う!」が開かれる。岳敏君の作品は、口を大きく開けて笑う男が登場することで有名だ。作家に似たこの男は、東欧圏の崩壊と1989年の天安門事件など、中国が経験した一連の現代史に対する冷笑を象徴する。2007年にオークションで最高値を記録した「処刑」について、当時、サザビーは「天安門事件からインスピレーションを得た作品だ」とし、「中国アバンギャルド芸術で、最も歴史的に重要な絵画だ」と説明した。

会場では、岳敏君の絵画と彫刻作品約40点を見ることができる。「処刑」には複製画がかけられたものの、2000年代初めから最近まで作られた大規模な絵画作品が展示された。「芝で転がる」(2009年)と骸骨が登場する「恋人1」(2012年)があり、とある展示室は「笑いは笑いではない」の彫刻連作シリーズだけで構成されている。

近作では、政治的状況に対する言及よりもポップ的要素が目立つ。作品にバットマンやドラえもんのような大衆文化のキャラクターを直接借用した。こうした最近の作品を通じて、一時「政治ポップ」に分類されたこともある岳敏君の作品世界が政治的状況を離れてどのように作用するのか、観客が直接判断できそうだ。1万〜1万5000ウォン。来年3月28日まで。

釜山(プサン)市立美術館では、「中国同時代美術3部作:傷痕を越えて」が開かれる。絵画よりは、多様な材料を活用したインスタレーションやパフォーマンス作品が中心となる展示では、朱金石、宋冬、劉為の3人の作家の作品を鑑賞できる。1954年生まれ、1966年生まれ、1972年生まれと世代が分かれている。

最も目を引くのは、作品の大きなスケールだ。宋冬だけでも、初期の作品は「息」(1996年)のようにパフォーマンスをして撮った写真や、鏡を活用したウィットに富んだ映像作品「壊れた鏡」(1999年)が目立つ。ところが、最近の作品「傷痕」(2020年)は、会場の入口ロビーを埋め尽くすほどの数多くのがらくたで構成されている。紙を活用した朱金石の「南と北」(2020年)も、現在の展示場に合わせてサイズを小さくしたという。1万〜2000ウォン、来年2月28日まで。


金民 kimmin@donga.com