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宿題の時間

Posted November. 26, 2020 08:31,   

Updated November. 26, 2020 08:31

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「宿題を全部したの?」、「宿題してから遊びなさい!」、学校に通う子どもを持つ親なら、常に口にする言葉だろう。世の中に宿題をちゃんとする子どもはいても、宿題が好きな子どもはいないだろう。フィンランドの画家、ユルィヨ・オリラは、宿題をめぐる母親と子どもの葛藤を絵で表現した。

絵の中の母親は居間のソファの端に腰かけ、息子に本を読んでいる。学校で読書の宿題が出たようだ。黒い制服姿の少年は、集中するどころか別の考えに浸っているかのように遠くを見ている。外に行って友達と走り回ることを考えているのかもしれないし、読み取りの授業で恥をかくのではないか心配しているのかもしれない。本に視線を固定した母親の表情も良くはない。服の左肩がずれ下がっていることも分からないほど顔は憂いを帯びている。

1887年にヘルシンキで生まれたオリラは、画家、デザイン、壁画など多彩な分野で才能を発揮した。国費奨学生としてフランスで印象主義を学んで帰国した後、フィンランドの印象主義グループを創立して活動した。しかし、劇場設立を主導して破産し、1920年に家族と共に再びパリに向かった。家族を養うために舞台セットや壁紙のデザインの仕事をし、画家で妻のリリィは、造花や弔花を作る仕事をした。この絵は、まさにその頃に描かれた。絵の中のモデルは画家の妻と息子のようだ。当時、息子はフランスの小学校に通っていた。外国人家庭の子どもなので、友達よりもフランス語の読み書きに困難があっただろうし、子どもの宿題を見なければならない働く母親の苦悩も大きかったことだろう。

芸術的成功よりも子どもの教育を選んだのか。息子がフランス人として成長することを嫌った夫妻は7年間のパリでの生活を清算し、フィンランドに戻った。故郷でオリラは画家と壁画家として名を馳せ、1932年にフィンランド国立劇場の壁画で最高の名声を得た。しかし、染料と色素の中毒で同年11月に他界した。享年45歳、帰郷して5年だった。