Go to contents

「美術品保存家」はどんなことをするのか知りたいですか?

「美術品保存家」はどんなことをするのか知りたいですか?

Posted November. 24, 2020 09:27,   

Updated November. 24, 2020 09:27

한국어

「美術品の保存家と言われると、2人の人物が思い浮かびます。日本の小説『冷静と情熱のあいだ』の順正、映画『仁寺洞(インサドン)スキャンダル』の金來沅(キム・レウォン)。消えた絵をそのまま再び作り出すと思っている方もいますね。漠然とした幻想の後の実状について知らせなければという思いがしました」

最近、美術品の保存を扱った本「芸術家の指先から科学者の手に」(出版社:考えの力)を発行した国立現代美術館の学芸研究士、キム・ウンジン氏の言葉だ。13日、国立現代美術館のソウル館で会ったキム学芸研究士は、科学高校とKAISTで勉強した典型的な「理系学生」だった。しかし、氏は家族の反対を押し切って、絵画の保存について勉強するために英ニューカッスル・ノーサンブリア大学への留学に踏み切った。理系の学生がなぜ絵に熱中したのだろうか?

「子供の頃には絵を描くのがうまかったので、写生大会で賞ももらいました。芸術高校に進学するほどの経済的状況ではなかったし、理系の学生が持つ科学的マインドを芸術作品に融合できることが保存であることを知りました」

彼女が留学に発ったのは1998年。美術館や在野で働く修復師に会って、韓国国内の現場で分野の劣悪さを知った後、きちんと勉強したいと決心した。

本の中で言及した事例は、そのほとんどが西洋近代以前の美術品であり、具本雄(ク・ボンウン)が描いた詩人・李箱(イ・サン)の顔「友人の肖像」や白南準(ぺク・ナムジュン)の「多ければ多いほどいい」などの韓国国内作品も扱った。韓国内の修復の歴史は比較的短いからだ。

「韓国の国内作品は英国に比べて若いのに、状態はもっと悪い場合があります。10年前に徐承元(ソ・スンウォン)の作品から塗料層が落ちたので再び埋めたんですが、後で作家から「マスキングテープを付けてから切り離して、塗料をわざと落とした」という話を聞きました。びっくりして作品を元の状態に戻しました。それほど、作品関連記録が正しく整理されていないんです」

白南準の「多ければ多いほどいい」の修復プロセスについての話も聞くことができた。

「美術館は生まれつき、保守的にならざるを得ません。多ければ多いほどいいを撤去しようという意見も出るほどでした。その中からどのような価値を選択するかの問題です。科学は毎回明確な答えがあるようですが、実際はそうではありません」

だから、氏は修復師の仕事の性格は、作品を直す「医師」から作品を取り巻く理解を調整する「交渉家」に変わると見た。

「現代美術の領域が広くなり、作品に関わる人も増えています。作家はもとより、遺族、キュレーターとインストールの専門家など多様ですね。それぞれ異なる要求の中から最も優れた方向性を探して、後代の人が楽しむことができるように保存することが修復師の仕事になるでしょう」


金民 kimmin@donga.com