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与党がまたも大量立法暴走の構え、民主主義の後退と分裂を招くだけだ

与党がまたも大量立法暴走の構え、民主主義の後退と分裂を招くだけだ

Posted November. 23, 2020 08:38,   

Updated November. 23, 2020 08:38

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与党「共に民主党」が、未来立法課題として15の法案を提示し、今定期国会の会期中に通過させると意気込んでいる。同党は、来年下半期には本格的な次期大統領選局面に突入することを考慮し、事実上、今年の定期国会が立法の最後の機会だと強調する。しかし、最優先の通過対象に選んだ15の法案は、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)法や国家情報院法、警察法、企業規制3法、重大災害企業処罰法、5・18民主化運動特別法などすべて論議が多いものだ。

野党の拒否権を削除するという公捜処法改正案は施行前に再改正するというのだから大義名分がない。公捜処のトップを事実上、与党が思いのまま指名する構造になるなら、公捜処はスタートから権力保衛機関に転落してしまうだろう。スパイを捕まえる対共捜査機能を警察に移譲する国家情報院法改正案は、捜査の空白を埋めることができなければ安保危機を招きかねず、国家警察と自治警察を統合する警察法改正案は肥大化する警察組織の統制と牽制機能が不十分という指摘を受けている。5・18民主化運動歪曲・捏造行為を処罰するという5・18特別法改正案は、過剰立法という批判を受けている。

商法、公正取引法、金融グループ監督法の企業規制3法は、海外でも前例のない急進的な規制条項を含んでいる。経済危機の中、海外市場で激しい競争をしている韓国企業が逆差別を受けて競争力を失うようにする法案がいかなる逆風を招くか懸念される。同党は今年7月、立法独走という批判にもかかわらず、賃貸借2法を家のない庶民の住居安定のために避けられないとして強行可決した。しかし、果たしてどのような結果がもたらされたのか振り返ってみなければならない。観念的・理念的に設計した法案が招く副作用を最小化する対策もなく強行した結果、史上最悪の「チョンセ難」を招いた。

同党が、国会の絶対多数の議席を確保しているため、物理的には15の法案を可決できるだろう。しかし、民主主義は多数決の原則だけで成立するのではない。少数意見に配慮し、最大限合意と折衝をはかる熟議民主主義の手続きが排除されれば、民主主義は多数の独裁に転落しかねない。しかも多くの法案が逆機能を招く恐れがあり、国民の共感を得たのかも疑問だ。補完が必要な法案は時間がかかっても、野党との協議はもとより利害当事者の意見を十分に反映して修正・補完しなければならない。法案一つ一つが国民の暮らしに大きな影響を及ぼすという点で、立法目標に劣らず立法過程も非常に重要だ。同党が再び一方的な立法独走に出るなら、性急な立法内容が挽回困難な副作用を呼び、国論分裂をより深めることが懸念される。