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舞台上の派手なブラック・ピンクとBTS、舞台裏のアイドルをのぞく

舞台上の派手なブラック・ピンクとBTS、舞台裏のアイドルをのぞく

Posted October. 20, 2020 08:26,   

Updated October. 20, 2020 08:26

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「目の前で下手だと言われることと、そのような言葉を聞きながら落ち着きを保とうとすることは…本当につらいと思います」

ネットフリックスのドキュメンタリー「ブラック・ピンク:世界に光りを灯しなさい」で、4人組ガールズグループ・ブラックピンクのメンバー・ジェニーは、練習生時代に経験した厳しい競争について震える声で説明した。他のメンバーたちもカメラを見つめながら、「幸せな雰囲気ではない」として、平均5年間の練習生時代を打ち明けた。このドキュメンタリーは、14日の公開直後、ネットフリックスのグローバル映画2位となった。

最近、K-POPのアイドルを主人公にしたドキュメンタリーが人気を集めている。ガールグループ・トゥワイスが、今年4月からユーチューブに9本に分けて公開した「トゥワイス:シーズ・ザ・ライト」は、1話のクリック件数だけで500万件を越えており、残りのエピソードも、似たような水準だ。防弾少年団(BTS)を盛り込んだ「ブレーキ・ザ・サイレンス:ザ・ムービー」は、BTSの所属事務所・ビッグヒットエンターテインメントの独自のプラットフォーム「ウィバース」に公開されて爆発的な注目を集めた。

過去にもアイドルの魅力を映像に盛り込もうとする試みはあったが、そのほとんどが映画製作にとどまっていた。スーパージュニアが主役を演じたコメディ映画「イケメン連続テロ事件」(2007年)、H.O.T.が出演したファンタジー映画「平和の時代」(2000年)などだ。2010年代以降、アイドルの些細な日常を示すVログが人気を集めたが、長編ドキュメンタリーとして表わすのは、最近の流れだ。

アイドルドキュメンタリーが脚光を浴びるのは、ファンがスターたちの派手な姿を超えて、舞台裏の率直な心境まで感じることを願うからだ。メンバー一人一人がどのような幼年時代を過ごしたのか、なぜアイドルになることを決心したのか、どのような苦難を経て成功したのかを示しながら、人間的な響きを引き出したという。ファンたちは、「毎回完璧に輝く舞台をプレゼントするブラック・ピンクが、恐怖と圧迫感をよく感じる同じ人であることに気づいた」「BTSがワールドツアー後、バックステージやホテルの部屋の中でつらかった記憶を率直に話すのを見て、慰められた」という反応だ。

アイドルの人生を素直に盛り込むことができたのは、監督の独立性が保障されたためだという分析が出ている。厳しいスケジュールに体調を崩して苦しみながらも、舞台の上ではそれを気づかせずに最善を尽くす姿などの生々しさを確保するためには、所属事務所の要求をすべて受け入れないことが欠かせないという。

ブラックピンクのドキュメンタリーを撮影したキャロライン・ソ監督は、YGエンターテイメントやネットフリックスの所属ではなく、独立して活動している。創作者の狙いが最大限反映されるだけに、所属事務所としては気になる練習生時代のことまで具体的に扱って、「広報用映像」に転落しなかったという評価だ。ネットフリックスの関係者は、「ブラック・ピンクのメンバーたちも、(企画の狙いを受け入れて)、自分の率直な面を見せたかった」とし、「歌手としての成功はもちろん、アーティストとしての人生と休みの時間に何をするのかまでをあまねく盛り込んだ」と話した。

映画館ではなかなか興行できないドキュメンタリー映画が、ネットフリックスやユーチューブなどのオンライン動画サービス(OTT)を通じて活路を見出したという解釈も出ている。映画館で公開した時はファンを中心に観覧するのにとどまったが、今は誰でもスマートフォンやテレビで簡単に接することができるという。チョン・チャンイル映画評論家は、「OTTを通じてアイドルドキュメンタリーが成功したことで、ドキュメンタリー映画の流通事例を作っている」とし、「新型コロナによって低迷している映画界にも活力元になるだろう」と話した。


イ・ホジェ記者 hoho@donga.com