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あまりにも長かった梅雨の原因

Posted September. 26, 2020 09:10,   

Updated September. 26, 2020 09:10

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韓国内唯一の極地砕氷研究船・アラオン号が、11回目の北極航海を終えて今月14日に帰国した。アラオン号の研究者によると、8月初めに北極海の太平洋方向の入口であるチュクチ海の雪解けが肉眼でも確認されるほど、ほとんど溶けてしまったという。これは人工衛星でも確認される。このように、今年7月の北極の雪解けの面積は、人工衛星による観測が始まって以来、最も小さい規模を示した。

事実、このような現象は、全地球的に広範囲に起きている。英リーズ大学とエディンバラ大学などが共同研究した結果によると、1994年から2017年までの23年間の気候変動により、両極地方とグリーンランド、アンデス山脈、ヒマラヤ山脈などで消えた氷の量は28兆トンに達する。

多くの氷が溶けた時、海面が上昇して発生する問題から思い浮かべやすい。しかし、これは北極海の氷が溶けて発生する多くの問題の一部分に過ぎない。一般的に、氷は太陽の光を反射して地球の気温を調節し、大気を安定させる役割を果たして地球温度を調節する。氷が消えれば、自然に海や土壌が露出されるが、これらは氷よりも多くの熱を吸収する。したがって、地球表面の氷の面積が減少すれば減少ほど、地球が自ら温度を調節する能力も一緒に減って地球温暖化に拍車がかかり、これを再び氷の面積を減らす悪循環が繰り返される。

問題は、これまで対岸の火事ようしてきた極地の氷河縮小問題が、韓国に直接影響を及ぼし始めたということだ。すでに気象学者は、今年夏、全国民を落ち込ませた長い梅雨は、北極の氷河が減少した影響で発生した異常気象だと分析した。北極の冷たい空気が、韓半島がある中緯度まで降りてくるのを防ぎ、北極周辺を円形のように回るようにするものがジェット気流だ。ところが、北極の気温が上がるほど、中緯度地域との気温差が減って、ジェット気流が弱くなる。ジェット気流が弱くなれば、長かった今年の梅雨のように、1カ所に冷たい空気や熱い空気が長く滞在しかねない。また、気象学者たちは、北極の氷河が減って発生した異常気象は、必ずしも長い梅雨の形でのみ現れるのではなく、粒子状物質や過去最大の猛暑など、様々な形で現れかねないと警告している。

未来はもっと暗い。英南極自然環境研究所が先月、科学ジャーナル「ネイチャー気候変動」に発表した論文によると、北極の氷河はわずか15年で溶けてしまう可能性もある。この場合、私たちは異常気象が日常となった時代で生きるかもしれない。

私たちがしなければならないことは、海面上昇のように単純に氷が溶け出す現象で発生する断片的な事態への対応だけでなく、それによって起きる様々な影響に対して持続的な関心を持つことだ。まず、日常での不要な電気使用の削減などを実践して生活化しなければならない。これを急がなければ、私たちが暮らしているこの地球が未来は異常気象で綴られて、子孫が今よりも大きな苦痛を受けながら生きるかもしれない。私たちは、この地球と運命共同体だ。